9/27の中秋の名月によせて とがった心が丸くなる「月」にまつわる美しい言葉


【真澄鏡】(まそかがみ・ますかがみ)

鏡をほめていう語。立派な鏡、また、よく澄んだ鏡。
日本古来のことばのひとつです。和歌などの枕詞として使われることばで、「月」のたとえとして使われることも。

書籍『美人の日本語』の中にも、心に響く一節がありました。

満月はその形から鏡にたとえられます。澄みきった少しの曇りもない満月は月の真澄鏡……。
これは、自分の姿を映す鏡ではなくて、心を映す鏡だそうです。

月をじっと見つめていると、心の奥底まで見透かされそうな、そんな不思議な気持ちがしてきませんか?
お月見は、単に月の美しさを愛でるだけのものではなく、その真澄鏡に、心の本当の姿を映してみるという意義もあるのかもしれませんね。

【恋路十六夜】(こいじいざよい)
十日町織物繊維協同組合が選定した、9月の誕生色の名前。色は秋の夜空を連想させる、深い紺色です。

「いざよう」とはためらうという意味。十五夜に比べて、ためらうように出てくるので、こう呼ばれるようになりました。一日違うだけで、約四十分も月の出が遅くなるそうです。
(中略)
いざよいながら進んでいく恋の道。初々しい恋人たちを思い浮かべます。

待宵の中秋の名月、そしてこの季節にしか見られない、真澄鏡のようなスーパームーン。お月見らしいイベントはできなくても、いまの自分自身を真澄鏡に映す「心のお月見」をしてみるのも、よいかもしれません。


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