連載記事:法律で切るママトラブル
家財道具を壊された!? 託児をお願いされた時にありがちなトラブル(法律で切るママトラブル Vol.6)
ママ同士の付き合いの中で、「うちの子ちょっと預かってて」なんて言われたり、逆に子どもを預かってもらったり。よくあることですが、、そこでトラブルが起こってしまったら、、法的にはどうなるのでしょうか。今回もアディーレ法律事務所の島田さくら弁護士が切ってくれました。
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「子どもを預かって」と託児をお願いされ、預かっている時の責任の範囲はどこまで?
「うちの子ちょっと預かってて」「いいよ」ということで、子どもを預かった場合、民法上は、準委任契約(民法656条)、あるいは、これに似た契約が成立すると考えられます。
準委任契約というのは、(法律の専門知識を含まない)事務や仕事をお願いして、頼まれた人にある程度やり方を任せる契約です。つまり、預けたママを委任者、預かったママを受任者として、子どもを預かるという仕事をお願いするという契約が成立したとみることができます。
準委任契約が成立した場合、受任者(預かったママ)は、善良な管理者の注意をもって事務処理をする必要が出てきます(民法644条)。簡単に言うと、預けたママの信頼に沿うように子供を預からなくてはなりません。
預かっている子どもがお腹すいたと言ってきた。食事を用意してあげないといけないのか。また、食事やおやつにかかった費用など、暗黙の了解でこちらが出しているのだが請求することはできるのか
たとえば、預かっている子どもが「お腹がすいた」と言ってきた場合、子どもをお腹が減った状態で放っておくこともできませんよね。では、ご飯やおやつをあげた場合、この費用は誰が負担することになるのでしょうか?
準委任契約を前提として考えれば、ある程度の時間子どもを預かる際のご飯やおやつは、必要な費用と考えられるので、子どものママに請求することができます(民法650条1項)。
ただ、お互いに子どもを預け合うような関係にあるのであれば、「お互いさま」ということで、預かった側が負担するのが一般的でしょうね。このように、預かった側がちょっとした費用は負担するという暗黙の了解、口にはしなくても合意があったような場合には、預かっている側が負担することになります。