一眼レフ初心者が最初に陥りがちなワナ、致命的なボケ過ぎとブレとは?(ママのための写真術5)
ボケ過ぎると、ただ周りが見えない写真になってしまう
初心者用の一眼レフについてくるキットレンズであれば、F値は小さくてもF3.5なので大丈夫ですが、F1.8くらいの小さな値のレンズの場合は、F値を低くし過ぎないよう気をつけなくてはなりません。
F値は小さくすればするほどボケが強く出て、焦点が合う部分をより強調できる代わりにピントが合う範囲も狭くなり、周囲がぼやけた写真になります(専門用語で「被写界深度が浅くなる」と言います)。
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つまり、顔写真を撮る時に鼻にピントを合わせると、目や耳がピンボケになってしまうような状態。 これでは「思い出を残したい」と思いながら撮ったのに背景がボケ過ぎて、子どもが大きくなった時に「ここはどこ? 誰と何していたの?」と聞かれても答えられない写真になってしまいますね。
最初はF値を、小さくてもF2.8くらいに抑えて奥行きを出すくらいにしておき、慣れてきて「ここぞ!」という時に、より小さな値で撮るのがおすすめです。
写真修正ソフトを使っても直せない失敗、それが「ブレ」と「ボケ過ぎ」
写真とは、撮像素子(イメージセンサー)が取り込んだ像(情報)を焼き付けたものです。つまり、受け取った情報の範囲内でしか修正もできないということ。
手ブレやピントぼけを後から直したいと思っても、その分の情報をもともと取り込めていないのですから修正が効きません。
逆に言えば「手ブレせず、ピントが合ってさえいれば全体のトーン(色)や明るさは後からでも変えられる」ということになります。 とにかくカメラをしっかり構えて手ブレを防ぎ、オートモードや連射を使ってでもピンボケ写真を避けることが大切です。
子どもは特に動き回りますし、危なっかしい時には支えなくてはならないので手ブレしがち。 加えて「一眼レフだからボケがある写真が撮りたい」とF値を低くすれば、ピントが合う範囲や場所の特定も難しくなります。
ですから、撮影するママの心構えとしては、「まず、ピント合わせと手ブレ防止に集中して、明るさや色は後から修正、構図は大きめに撮って後でトリミングする!」と決めて、撮るのがポイント。
最初からすべてを網羅しようと思いすぎず、リラックスしてたくさんのショットを撮りましょう。そのほうが、後からの作業がしやすいですし、最終的に失敗写真が少なくなります。