「マイナス金利」は損か得か? 私たちに与える影響とは
2016年の2月16日から、日本では史上初めてマイナス金利を導入しています。
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このマイナス金利が導入されるのは、基本的に日本銀行(日銀)と民間銀行の間のお金のやりとりに関してですから、私たちの生活ですぐ何かが変わるわけではありません。
でも、長い目で見たとき、どんな影響があるのでしょうか。
■「マイナス金利」とは?
そのものずばり金利が0%以下になるということです。普通は、お金を預けると利息がつきます。でも、「マイナス」金利ですから、お金を預けると逆にマイナスの利息分だけお金が減ってしまうことになります。
「銀行に預けていると、お金が減っちゃうの!?」現状はその心配はありません。マイナス金利が適用されるのは、日銀が金融機関から当座預金で預かっている一部の資金です。
銀行などの金融機関は、預金をきちんと預金者に支払えるよう、原則として「銀行の銀行」と呼ばれる日銀の当座預金に預金することが義務付けられています。
2月16日以前は、日銀は0.1%という金利をこの預金に付けていましたが、これがマイナス0.1%に引きさげられたのです。
■「マイナス金利」の狙いって?
ひとことで言うと「経済の活性化」です。銀行は、私たち預金者のお金を預かり、それを運用したり貸しだしに回したりすることで、必要なところに資金を提供してゆく経済の潤滑油としての役割を担っています。銀行が預かったお金をそのまま日銀に預けたのでは、本来のこの役割の点ではやや不十分です。
でも、いままではわずかでも0.1%の金利がついたので、銀行も「まあ日銀に預けておいて損はない」という感じだったわけです。
今回日銀は、「当座預金に余分にお金を預けると、むしろお金は減りますよ」という、いってみればペナルティを銀行に課したわけです。
安易に日銀に預けるのではなくて、もっと貸しだしや投資をしてくださいよ、と銀行のお尻をたたいているわけです。
「デフレ脱却」のための異次元の措置と言われるわけはここにあります。