自分はこんなにも謙虚なのだから…、と相手にも謙虚さを求めてしまう【心屋仁之助 塾】
メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「謙虚である自分に満足し、相手にもそれを求めてしまう」という、まなさん(28歳・事務員)に、心屋塾認定講師のはしぐちのりこさんからアドバイスをいただきました。
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■まなさんのお悩み
はじめまして。私は自分を悲劇のヒロインのように、相手よりも下にしたに落として満足する癖があります。仏教ではこれを、“卑下慢”というらしいです。
なにか言われても受け入れられず「私はこんなに下から言っているのだから、あなたも、下から言え」と思ってしまいます。最近癖になっており、相手の意見に対して、受け答えができません。どのように考え方を変えたらよいのか、右往左往しております。
※一部、質問内容を編集しています。
■心屋塾認定講師のはしぐちのりこさんより
まなさん、はじめまして。はしぐちのりこと申します。ご相談ありがとうございます。
「卑下慢(ひげまん)」
・自分が愚かな人間だとわかっている私はとても素晴らしい、と思う気持ち
・私ほど謙虚な人間は他にいない、と自慢する心
私、この言葉を初めて知りました。意味を調べてみて、なるほどなるほど…と。
つまりまなさんは、ご自分の非を認めていて、ダメで、愚かだと知っている。その上で自己反省し、謙虚に生きている自分は素晴らしい、と思っておられるのですね。
「悲劇のヒロインのようになって満足する」という表現が、状況をとてもよく表していると思いました。
さて、ご相談には「私はこんなに下から言っているのだから、あなたも、下から言え、と思ってしまいます。」 と書いてくださっています。卑下慢の意味を踏まえて、これを言い換えると、
「あなたも私みたいに自分のダメさを認めなさいよ」
「その上でモノを言いなさいよ」
「そして私みたいに謙虚で素晴らしい人間になりなさいよ」
と思っているわけですね。そこには「こんなに素晴らしい私をもっと尊重しなさいよ」という気持ちがあったりしないでしょうか。