■タダで不要品がもらえるSNSも人気
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不要になったものを売り買いするためのご近所SNSもあります。
●「ジモティー」
月間の利用者数が2017年5月末で約750万人と、多くの人が利用している無料のウェブ掲示板です。無料で出品されている不要品も多数あり、なかにはソファなどの大型家具やまだ使える家電もあります。
業者や行政に不要品の引き取りを依頼すると料金がかかるのに比べると、
無料で引き渡せるのが魅力の1つ。ほかのフリマアプリと異なり、近所の人と取引することで配送の手間を省き、欲しい側の人にとっても、すぐに使える品を受け取れるというメリットがあります。
ただ、「直接のやり取り」をしなければならないという点で注意は必要といえます。実際に筆者も「ジモティー」ではありませんが、不要品をやり取りするアプリを使って直接取引をしたことがあります。やはり実際に会うまでは少し不安がありました。
直接取引の場合には、1人で受け渡し場所に行かない、人が多い場所で会う、出品者の評価をチェックするなど、使う側の注意も必要といえます。
■「ご近所SNS」はママの孤立を防げるか
「ご近所SNS」では利用者同士のやり取りが中心ですが、積極的に行政との連携を進めていて、たとえば千葉市は「マチマチ」をとおして、防災情報や犯罪予防のための情報などを提供しています。行政側から利用者に対して命を守るための重要な情報も発信されるという点で、この取り組みはママたちにとっても非常に有益ですよね。
ただ利用者の一人としては、SNSの特性を生かして双方向のやり取りができれば、より便利になると感じました。働くママたちにとっては役所に行く時間が取りにくく、また育休中などで働いていなくても、子連れで長い待ち時間を過ごすのは親子ともにつらいものがあります。
受けられる支援についての情報を得たり、育児相談をしたりと、SNSをとおして役所の担当者とやり取りができれば、ママたちにとってはより使いやすいものになるのではないだろうかと思います。SNSでのやり取りを通じてママたちの孤立を防げるという点で、「ご近所SNS」には今後ママたちにとってより役立つツールとなりうるのではないかと感じました。
■ママにとってご近所づきあいとは
「ご近所SNS」は、これまでのご近所づきあいと形はまったく異なります。しかし、情報交換したり不要品をやり取りしたりと、カタチは違えどその内容は、大きく変わりません。
内閣府の調査によると、18~39歳までの人で「地域でのつきあいをしている」と答えた人は全体の半数を切っています。またご近所づきあいにおいて
深い関係を望む人は年々減っているというデータが厚生労働省の調査でも出ています。もしかしたらスマホなどで手軽にやりとりできるアプリやSNSでのつきあいが普及した結果、ご近所づきあいの重要性が薄くなってきているのかもしれません。
出典:厚生労働省ホームページ「平成29年版厚生労働白書 -社会保障と経済成長-
よく母親世代の人に「いまの若い人は近所づきあいをしない」などと言われることがあります。しかし地域とのつながりを持ちたいと考えている人は、内閣府による住生活に関する世論調査では85%を超えています。2011年3月に発生した東日本大震災のあと、その必要性を再認識したという人も多くいるでしょう。
ご近所づきあいは、
災害時の安否確認の際に大きな役割を果たします。そして何よりも、育児で孤独感を強めてしまうママにとっては、精神的な心のつながりを持てることにおいてその重要性は感じられるのかもしれません。
新しいご近所づきあいのカタチとして、こうした「ご近所SNS」があらたなご近所付き合いの形を作っていくのかもしれませんね。そして実際に使ってみて、自分の目的に合わせて使い分けができるのも、「ご近所SNS」の良さだと感じました。
※この記事は、2018年5月現在の情報をもとに作成しています。
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