連載記事:苦手な人とうまく付き合う“境界線”の引き方
ママ友や親「関係を切れない人と、どう付き合う?」【苦手な人とうまく付き合う“境界線”の引き方 第3回】
■両親や義両親「ありがたいけどイライラする…悩んでいます」
多くのママが頭を悩ませているのが、実の両親や義理の両親との関係。孫の教育に口を出してきたり、こちらの生活に干渉してきたり。そんな時の対処法をお聞きしました。
1. 実の母親が孫の教育を押し付けてくる
子どもにとってはおばあちゃんにあたる実母が、小学校受験の情報を調べたり習い事をすすめてきたりと、教育を押しつけてくる。孫をかわいがってくれるのはありがたいけれど、教育にまで口を出されて迷惑をしている、というケース。実の母親だけに、どう伝えるか迷うところです。
「まずはなぜそんなに孫に関わりたいのか、理由を考えてみましょう。子どもや孫に期待する背景には、劣等感や不安が隠れていることが多いんです。
自分が昔、勉強ができなくて辛い思いをしてきたのかもしれませんね」(おのころさん)
不安を与えないために「子どもはちゃんと頑張っていて、評価されている」と先に報告をしてあげるといいのだそう。
「それでも口出しをやめない場合は、『お母さんには関係ないでしょ』とガツンと言い、その後に『さっきはごめんね』といフォローするといいでしょう。お母さんは落ち込むかもしれませんが、言われた言葉はずっと残るので、2度と言ってこなくなるはずです」(おのころさん)
少し勇気がいりますが、気心の知れた親子だからこそ使えるテクニックといえます。
2. 同居している義理の母親が生活に干渉してくる
同居といえども、お互いの生活になるべく干渉しないのがルール。なのに、近所の人に「嫁が外出ばかりしている」「子どもの面倒を見ていない」と言いふらされている。こうした嫁姑の問題には、どう対処したらいいのでしょう。
「義理のお母さんの良いところを見つけて、あえて相手をほめてあげる、という手があります。ほめられると悪い気はしませんし、自分をほめてくれる人は良い人だと思うもの。
すると意外と周囲に『うちの嫁はすごいのよ』と自慢するんですよ」(おのころさん)
イヤなことを言われているのに、相手を持ち上げるのは納得がいかないかもしれませんが、親とはこれからもずっと付き合っていかなければいけません。そこはぐっと我慢。自分の器を大きくして、人間関係を良くすることに努めましょう。
次回は、子どもに対するバウンダリー・オーバーとその対処法についてお聞きします。
参考図書:
『人間関係 境界線(バウンダリー)の上手な引き方』(同文舘出版)
おのころ 心平 著 1,512円(税込)
24年間、のべ5万時間以上のカウンセリングから導き出した「病気にならない心理学」の本。快適でベストな人間関係を築くために、自分と相手とのバウンダリー(境界線)を引くことを提唱する。表情・しぐさ・言葉遣いをほんの少し変えるだけで「自分の領域」を守る方法や、バウンダリー上手な人になるためのテクニックを紹介。
イラスト/野原広子
取材・文/まちとこ出版社 渡辺裕希子
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