■ママががんになったとき、子どもへの告知どうする?
ママの場合、
子どもへの告知も考える必要があります。子どもは大人が考えているよりも、周囲の状況や様子をよく理解しているものです。
黒田さんも、当時5歳だった一人娘に「がん」を、どのように説明したらよいか? は、悩みました。
「アメリカのKNIT(ニット Kids Need Information Too)というプログラムでは、子どもに親のがんを知らせるときに、念頭に置くこととして次の3つの「C」を提唱しています」(黒田さん)
<子どもに伝えるときに念頭に置く3つの「C」>
1)Cancer(がん) :がんという病名を隠さないこと
2)not Catchy(うつらない):がんが他の人に感染する病気でないこと
3)not Caused(引き起こされたことでない):がんは子供や親のせいでないこと
日本では、がん患者である親を持つ子供をサポートするための「Hope Tree(ホープツリー」というサイトがあります。
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「Hope Tree(ホープツリー」
■がんを告知されたときに考えたいこと
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黒田さんは、がんの告知を受けたときよりも、「あなたの5年生存率は、50%ですよ」と
余命宣告を受けたときの方が、ショックだったそう。
「娘は5歳。あんな小さな子を残して、どうして、たった5年で死ねる? そりゃ、まずいでしょ!」と。
「ママががんになってしまったときに考えるべきこと」を、黒田さんに教えていただきました。万一、がんになったときに「たしか、そんな記事、読んだこともあったな」と思い出していただけるといいなと思います。
そのとききっと、頭が真っ白になっているでしょうから、これを「杖」にして、気持ちを立て直していかれることを願っています。
【がん告知後のチェックポイント】
●がん(病気)について
・どこの病院で治療を行うか(セカンドオピニオン、転居の有無)
・どのような治療を行うか
・病気を含め、心配事について相談できる人はいるか
●仕事・お金について
・誰に、どのように(どこまで)カミングアウトするか
・「がん」のことを、(幼い)こどもにどう説明するか
・入院・治療の間の子供の育児や親の介護をどうするか
●家族・友人・職場について
・仕事を続けるか(仕事の引継ぎ、休職・退職)
・治療費をどう捻出するか
・自分の加入している保険(がん保険等)の保障はどうか
出典:『がんとお金の本』
■「がんは情報戦」の本当の意味とは?
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がんは、「情報戦」とも言われています。黒田さんが比較的早く、がん告知のショックから復活できたのは、日ごろ、がん保険などをアドバイスする上で、「がん=死病ではなく、治る可能性も高い」という知識があったためだそうです。
黒田さんは、言います。「おそらく私たち(患者)は、『主治医が患者のあらゆることを考えて、一番良い治療をコーディネートしてくれるハズ』と思い込んでいます。でも、自分ががんになってみて、『それはちょっと違う』ということに気がつきました」
たとえば、乳がんになって「乳房温存」を希望する患者に対して、主治医は全摘した方が良いという判断をしたとします。この場合、患者のために最善の治療をアドバイスしたにもかかわらず、患者にとっては、意に沿わない治療方法ということになります。
「治療が進んで、あとから『こんなはずではなかった』と後悔することのないよう、
『自分はこうしたい!』という意思をきちんと主治医に伝えて、患者が、自分の治療に対して主体的に判断していくことが大切だと実感しました。そのためにも、必要な情報を集めることがとても重要なのです」
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治療に対して、自分で主体的に判断する。
そのために情報とともに必要なものは、安心して治療に専念できるための
「お金」です。次回は、がんのお金についてお話しを伺います。
■今回のお話を伺った黒田尚子さんのご著書
『がんとお金の本』
黒田尚子さん/ビーケイシー(1,620円(税込))
●黒田尚子(くろだ なおこ)さん
1級ファイナンシャル・プランニング技能士。2009年乳がん告知を受け、2011年に乳がん体験者コーディネーター資格を取得。自らの実体験をもとに、がんをはじめとした病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動を行う。
現在は、各種セミナーや講演・講座の講師、新聞・書籍・雑誌・Webサイト上での執筆、個人相談を中心に幅広く行う。
景井ひな&草川直弥主演ショートドラマ「とあるラブホテルの最上階にて」配信