「下の方にしまったフライパンが取り出せない」「ピーラーを使いたいのに見つからない」など、キッチンでイライラすることはありませんか?それは『収納』が原因かもしれません。シンク下のスペースを活用できる収納方法をタイプ別に紹介します。
シンク下収納の基本
シンク下は排水パイプがあるため、上手にスペースを活用するのがむずかしい場所の一つです。そのため、「適当に物を押し込んでいる」という人もいるのではないでしょうか?
まずはシンク下収納について、全タイプに共通する『押さえておきたい基本的事項』について2点まとめました。
キッチン収納は動線を考えて
キッチンはシンクで野菜を洗ったりコンロに移動して調理したり、お皿を取り出して料理を盛り付けたりと、忙しく動く必要がある場所です。
そのため『動線』を考えて収納することがとても大切となります。使いたいときに使いたい物がサッと取り出せると、無駄なアクションが減り料理の効率がグッとアップします。
いつもキッチンのどこでどんな作業をすることが多いのか思い出してみましょう。特に水周りでよく使う物をシンク下に収納する・使う頻度の高い物を出し入れしやすい場所に収納すると楽ですよ。
収納する物は湿気に強い物を
シンク下は水道の蛇口の真下にあり、排水パイプが通っているために、どうしても湿気がたまりがちな場所です。
そのため『湿気に強い物』を収納するのがおすすめです。缶詰のストックや未開封の食品・キッチン用洗剤などが向いているといえます。
それ以外の物は、湿気対策に工夫をしてみましょう。食器・調理器具は水気をよく拭く、開封済みの食品類は密閉容器に移すなどすると、衛生的に収納できますよ。すのこを敷いたり除湿剤を置いたりすることもアリです。
引き出しタイプの収納アイデア
引き出しタイプのシンク下収納は、その都度かがんだり奥の方まで手を伸ばしたりする必要がなく便利ですよね。
前後左右といった横の空間を広く使えるタイプの収納といえますが、実は上手な収納のカギは『縦の空間をどう使うか』にあるのです!
浅い引き出しに背の高い物が引っかかって開かなくなったり、逆に引き出しが深すぎて、半分の高さまでしか活用できなかったりすることはありませんか?縦の空間を上手に活用するアイデアをまとめてみました。
深いスライドは仕切って使いやすく
フライパンやロールタイプのペーパータオルなど、高さのある物を横に寝かせて収納しているせいで、引き出し上部の空間をまるっとデッドスペースにしていることはよく聞く話です。
深いスライド式の引き出しは、高さを生かせるように仕切って空間を縦に伸ばしましょう。フライパン・ペーパータオルも立てて収納できるようになり、収納アイテムの数がグンと増えますよ。
さらに、この収納方法であれば上から物をどんどん積み重ねてしまい、下にある物が取り出せなくなることもなくなります。物を探したり出し入れしたりすることも楽になりますよ。
ファイルボックスを使って立てて収納
深い引き出しには、縦の空間を生かすための仕切りとしてファイルボックスがピッタリです。A4サイズだけでなく、近年はいろいろな大きさの物が売られています。引き出しの高さや収納する物のサイズに合わせて選びましょう。
また、湿気が多くなりがちなのがシンク下です。湿気や耐久性の面から考えると、紙や段ボール素材よりもポリプロピレン樹脂や塩化ビニール素材のファイルボックスが適しているといえます。型崩れもしにくい上こまめに掃除もしやすいでしょう。
ラベルを貼っておくと一目瞭然
収納ボックス・密閉容器などは、同じ形・色の物を使用すると引き出し内に統一感が出てすっきりと見えます。その半面で中に何が入っているかが分かりにくくなることもあり得ますよね。
これを防ぐためには、ラベリングをして中身が一目で分かるようにしておくと便利です。かわいいラベリンググッズを使うと、料理・片付けをするテンションも上がりますよ!
引き出しを開けたときに上から物を見るので、容器のふたなど『物の上部』にラベリングをすることがポイントです。
観音扉タイプの収納アイデア
観音扉タイプのように前から物を出し入れするタイプの収納は、空間の上部・奥の方がデッドスペースになることが多いものです。
そのため縦・横両方向の空間を生かす収納を考える必要があります。なるべく無駄を減らしつつ、見やすく出し入れしやすい収納をプランニングしましょう。具体的な方法として、次のアイデアをシェアします。
収納ボックスを利用してざっくり収納
奥の物も簡単に取り出しやすく、なおかつスペースを有効に使うには、引き出し式の収納ボックスを使うとよいでしょう。
2~3段式のボックスを使うと、縦の空間もくまなくカバーできより多くの物を収納できますよ。キャスター付きの物であれば奥の物も楽に引っ張り出せて便利です。
収納ボックスは空間の仕切りとしても効果的ですが、あまり細かく分類すると物をしまうのが面倒になったり、かえって分かりづらくなったりすることも考えられます。
調味料類・食器類・食品類など、ざっくりしたジャンル別で収納ボックスにラベリングすると、とりあえずポイポイと物を入れるだけで済むので楽ちんですよ。収納は『無理せず長続きできる』ことも大切です。
ラック・突っ張り棒でスペースを分ける
「収納ボックスを置くほどスぺースが広くない」「通気性を重視したい」などの場合には、ラック・突っ張り棒を使って仕切る方法がおすすめです。
伸縮タイプのラック・コの字型ラック・すのこなどを組み合わせて、シンク下にピッタリ合うようカスタマイズしてみましょう。2~3段にして縦の空間を生かすことで、鍋や調理器具も重ねずに収納ができ取り出しやすくできます。
突っ張り棒を使うと、数センチの隙間も有効に使うことが可能です。鍋のふた・ラップ・まな板・お皿など平べったい物を収納するのに便利ですよ。
扉裏も収納スペースに変身
扉裏も立派な収納スペースとなり得ます。ワイヤーラック・フックなどを使って、細々した雑貨や使う頻度が高い小物類を収納してみてはどうでしょう。
ラップ・ゴミ袋・フライ返しなどの調理器具は、ゴチャゴチャしていて生活感が丸出しに見えがちです。そういった物を隠して露出を減らすことができるので、キッチンの見た目もすっきりします。
包丁やキッチン用ハサミなどの刃物類も扉裏に収納すると、小さな子どもがいる家庭でも安全ですね。
オープンタイプのシンク下はどうする?
『オープンタイプ』とは、シンク下に扉や引き出しがないタイプの収納です。空間をさえぎる物がないだけに、通気性がよい・広く見える・掃除がしやすいといったメリットがあります。
しかし、収納している物が全て露出するため、常にきれいに整頓していないと逆効果にもなりかねません。
使い勝手がよいことに加えて、センスよく『見せる収納』ができるようディスプレイ方法を工夫する必要があるでしょう。
家電を設置してすっきり感を演出
炊飯器・電子レンジ・湯沸かしポットなどの家電をシンク下に収納すると、物の露出が減ってキッチンをすっきりと見せることが可能です。
カウンターやテーブルの上のスペースを節約できるので、より広いスぺースで料理の準備もできて一石二鳥ですね!
憧れのシステムキッチンのように、おしゃれで動線的にも優れたキッチン空間を目指してみませんか?
ゴミ箱収納にもピッタリ
料理をする間に出るゴミをいちいち毎回離れたゴミ箱に捨てていると時間も労力ももったいないですよね。いっそのこと、シンク下をゴミ箱収納スペースにしてしまいましょう。
燃やせるゴミ用・不燃ゴミ用・リサイクル用など、同じ形や色のゴミ箱をラベリングして並べるとすっきり統一感が出ますよ。
ペダル式のゴミ箱は、ハンズフリーなので料理しながら同時にゴミ捨てができ、より衛生的かつ機能的です。ふた付きだと気になる臭いも抑えられますよね。
シンク下に収納するなら何がおすすめ?
以上タイプ別の収納方法を見てきましたが、ここからは「シンク下にはどんな物を収納するとよいか」を考えてみましょう。
キッチンには本当に多くの収納すべき物があります。必要なときに必要な物にサッと手が届くように収納すると、料理も片付けも早く楽になるのではないでしょうか。
鍋やフライパンなどキッチン用品
動線を考えると、基本的には水周りで使う物はシンク下に、火周りで使う物はコンロ下に収納することが理想的です。
水周りでよく使うザル・ボウル・包丁などのキッチン用品は、やはりシンク下に定位置を定めてあげると使い勝手がよいですよ。
鍋やフライパンは、やはりコンロ下に収納することが基本でしょう。ただし、複数個持っているためコンロ下だけに収まりきらないことも珍しくありません。
その場合はシンク下のスペースに収納してももちろんOKです。よく使う鍋・フライパンをコンロ下に収納し、使用頻度が低い物をシンク下に持っていきましょう。
ラップや調味料など未開封のストック品
ラップやアルミホイル・キッチンペーパー・ジップロックなどはよく使う物だけれど、カウンターの上にポンと出しておくとゴチャゴチャ雑多に見えますよね。
シンク下のスペースに収納すると、見た目もすっきりできる上、サッと取り出せて便利です。定位置を決めることで物の紛失も防げますよ。
未開封の調味料・パスタ・レトルト食品・ペットボトル飲料などもジャンル分けして収納するとよいでしょう。
収納ボックスに入れておくと、じかに床置きするよりも衛生的です。万が一しょうゆなどの液体容器が破損してこぼれたとしても、しみ・汚れが床に広がることを防止できます。
大きめのお皿など食器類もおすすめ
一般的に重量の軽い物は空間の上の方、重い物は下の方に収納するのがよいといわれます。高所から重い物を取ることは、落としてケガをする可能性も高まりますし、地震などが起きたときのことを考えても危険です。そういった意味では、大きなお皿など重たい食器類をシンク下に収納することもグッドアイデアでしょう。高所にある食器棚に比べて取り出しやすい上、持ち歩く手間や労力を減らすことができるので、より安全で効率がよいといえます。
大容量収納だからこそちょっとした工夫を
キッチンの収納は、ちょっとした工夫で収納量も使い勝手も格段に改善できます。きれいに整えられたキッチン空間では、料理もうんと楽しい気持ちでできるでしょう。
『料理上手は収納上手』といわれるのも納得ですね。おいしい料理を楽しく作るために、機能的・効率的な環境作りを心がけていきましょう。
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