子どもといっしょに魚クイズに挑戦! 「おさかな小学校」校長 すーさんに教わる、魚の食育&SDGs【後編】
Q:天然の魚が減っても、養殖で魚を増やせるから問題ない?
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健康でおいしいお魚は、世界中でも大人気。世界の水産物の消費量は、年々伸び続けています。その消費を支えているのが養殖業。
天然の水産資源は限りがあるから養殖を増やせば…という声も聞こえてきそうですが、養殖の魚は、天然で獲ってきた稚魚を使ったり、天然の魚をエサとして与えたりします。
養殖だからといって無尽蔵に増やせるわけではないのです。
たとえば、
うなぎ。数年前にうなぎの数が減っているというニュースをよくやっていたため、買い控えた方も多いかもしれませんが、最近では土用の丑の日になるとまたスーパーでたくさん売られるようになりました。
そのためつい忘れがちですが、
依然としてうなぎの資源は危機的です。ニホンウナギは
絶滅危惧種に指定されていて、近い将来いなくなってしまうかもしれません。
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「
ニホンウナギはマリアナ海溝付近で産卵し、黒潮に乗って稚魚が日本や中国までやってきます。稚魚であるシラスウナギは、今のところ
自然から採捕したものに依存しています。
本来は許可を得た漁業者が稚魚を獲って、養鰻業者に売って養殖されるのですが、
密漁されたシラスウナギも多く流通していると言われています。輸入うなぎに関しても、流通が不透明なものが多いのが実態です。
高級魚の
クロマグロも近年盛んに養殖されていますが、天然の稚魚を使っている養殖場が多く、また、エサも天然魚を与えています。クロマグロは
1㎏太らせるために15㎏ものエサを必要としています。
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日本は世界第2位の
エビの消費国ですが、自給率はたった4%。90%以上をインド、ベトナム、インドネシアといった東南アジアなどの海外から輸入しています。
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そしてそこでは、マングローブの森だった地を切り拓いてエビの養殖場にするといった
環境破壊が起き、エビの殻を剥く作業場では
長時間労働や
児童労働がおこなわれるなど、さまざまな問題が起きているんです。
養殖だからといって安心せず、
どこでどのように生産された魚なのか、チェックしてから買うことが必要だと思います。
豊かな海を守るために
まずは知ることから始めよう!
すーさんこと鈴木允さんの著書「いただきます! からはじめる おさかな学 〜1匹の魚から海の未来を考えよう」(リトルモア社)は、大人と子どもが一緒に楽しく魚と海のことを学べる一冊。
私たちが暮らしている地球の
7割は海で、人は海からたくさんの恵みをもらっています。とくに日本は
国土の12倍もの海域を持っていて、そこで獲れる魚のポテンシャルはとても大きいものです。
これから世界では
食糧難が起こるといわれていますが、豊かな資源をきちんと管理し、守ることができればその心配もなくなるはずです。
まずは、
大人も子どもも魚や海に関心を持ち、知識を身につけるようにしましょう。そうすれば、減っている魚や小さなサイズの魚はなるべく食べないように気をつけることができるし、旬の魚や未利用魚を選べるようになるので水産資源の回復にも貢献できます。
何より旬の魚はおいしいですし、
新しい魚を食べてみたり
いろいろな調理法を試してみることで日々の
食卓が豊かになります。
この機会にぜひ
“魚や海のためにできること”を、親子で考えてみてはいかがでしょうか。
「いただきます!からはじめる おさかな学 〜1匹の魚から海の未来を考えよう」(リトルモア刊)
国語、算数、理科、社会… おさかな! 海にかこまれた島国で生きる私たちの必修、SDGsにも食育にも欠かせない「おさかな学」の1日授業を体感できる一冊です。
魚を見るのも食べるのも、100倍楽しくなる! 海の問題がもっと「自分ごと」になる。図鑑や絵本から、さらに一歩ふみこんで、魚と海のことをお子さんと一緒にしっかり学んでみませんか?(漢字にふりがな付き※小学5年生以上向け)
【おさかな学の時間割】
1時間目:マグロがみんなの食卓に来るまで ⇒ 流通
2時間目:漁師さんはどうやって魚をとるの? ⇒ 漁業
3時間目:魚の値段はどうやってつけられる? ⇒ 市場・セリ・直接取引
4時間目:日本の海はなぜゆたか? ⇒ 海流・海洋大循環・食物連鎖
お昼ごはん:魚をさばいて料理して食べよう!
5時間目:ぼくたちは海とともにくらしてきた ⇒ 食文化・技術の進歩
6時間目:未来のおさかなを考えよう ⇒ 環境問題・SDGs
『あいの里 シーズン2』恋のラストチャンスに燃える9人の住民が公開【詳細プロフィールあり】