人を「下ろす」「降ろす」、どっちが正解? 意外と知らない言葉の使い分け方
◇(2)「辞める」
「看板を下ろす」には、「廃業する」「店をたたむ」といった意味がありますが、ここでの「下ろす」は「辞める」に近しいニュアンスです。
そのため、「看板を下ろす」の代わりに「お店を辞めることにした」と言い換えれば、話し言葉として伝わりやすくなるでしょう。
■「降ろす」の類語
最後に「降ろす」の類語を紹介します。
◇(1)「押し下ろす」
「押し下ろす」は、「降ろす(下ろす)」をさらに強くした表現で、無理やり地位を下げるといった強制力がある言葉です。
例えば、「満員電車で後から来た人を駅員が押し下ろす」「不祥事を起こしたプロジェクトリーダーの〇〇さんを押し下ろすことにした」といった形で使うことができます。
◇(2)「退ける」
「退ける(しりぞける)」は、今ある地位から下げる様子を意味する言葉です。また、相手の主張などを受け入れずに拒むことも表現できます。
■使い分けに悩む時は「下ろす」を用いるのが無難
「下ろす」と「降ろす」は、辞書的な意味は同じであるため、使い分けに悩む時は「下ろす」と表記するのが無難です。
とはいえ、ニュアンスは若干異なるので、2つの言葉の違いを覚えておけば、より円滑なコミュニケーションがかなうでしょう。