渋谷の名店『茶亭羽當』に聞く、古き良き珈琲文化。仏・独発祥の入れ方が日本流に進化
が手掛けたものだ。種類は大きく分けてペーパードリップとネルドリップの2種類。レギュラーサイズのコーヒーはペーパードリップで。デミタスコーヒーはネルドリップを採用している。
「お店の看板のブレンドは苦味と酸味のバランスを取りながら、多くの方に好んでいただけるような苦みと酸味のバランスが取れた味わいにしています。ネルドリップの場合はオールドビーンズを使い、コーヒーのエキスだけを抽出していきます。時間はかかりますが、コーヒーの甘味や深みをより感じられます」
寺島さんにレギュラーサイズのブレンドコーヒーを入れていただいた。適量のコーヒー豆を缶からフタに手早く移し、挽き立てのままきれいに折り目を付けたペーパーフィルターにセットする。
その間、選んだカップをお湯で温めておきながら、口の細い専用ポットで丁寧にお湯を回しかける。するとコーヒー豆がまるでスフレのように盛り上がり、さらに中央の泡をめがけてお湯を落としていく。流れるような所作は茶道の型を思わせるが、たくさんの注文をこなすうちに自然と身に付いた無駄のない動きなのだとか。
「フィルターの真ん中から湯を落とし、浸透させます。コーヒーは蒸らしの際にエキスが抽出されるのです。