2015年6月28日 20:30
日本と欧州のファッションフォトの差異は、生活様式と色気の価値観の違いから生まれる【マチェイ・クーチャ INTERVIEW 1/2】
photo by Moto Matsumura
ファッションフォトとは実に奥が深いものだ。服やモデルの美しさだけでなく、レンズ越しの世界を構築するストーリーまでもが見る者を魅了し、空想の世界へといざなってゆくのだから。
果たして、色や光を自在に操り、人の心を揺さぶり続けているフォトグラファーの胸の内には、どのような想いが宿っているのだろうか。『GQ JAPAN』をはじめとする一流誌のファッションページのみならず、MVやTVCFの映像までをも手掛ける鬼才、Maciej Kucia(マチェイ・クーチャ/AVGVST)に話を伺った。
――Maciejさんの作品の中に佇む被写体からは、内なる魅力が色濃くにじみ出ているように感じられるのですが、撮影の際は細かなディレクションをなさっているのでしょうか。
いいえ全然。そもそも、その人自身が持っている本来の魅力というものは、ディレクションによって引き出せるものではないですから。僕はただ、与えられた撮影時間の中で「今!」というタイミングにシャッターを切ることによって、どのような化学反応を起こすことができるかを楽しんでいるだけなんです。
――撮影セットやスタイリングに関してアイディアを出すこともあるのでしょうか。