2015年7月18日 19:00
東京をベースに拡張するデザイナー、グエナエル・ニコラに聞く、日本のデザインの未来【Interview】1/4
彼のデザインのテーマの話と、偶然リンクしたそのあたりからトークをスタート。
――ニコラさんのデザインって浮遊しているイメージがありますね。
浮いている物が大好きなんです。以前、ミラノサローネでスワロフスキーの展示をしたときも、LEDを埋め込んだスワロフスキーをバルーンの中に入れて、宙に浮かす展示をしました。パーティーでは、浮いているフードを食べる演出もしました。20トンのトラックで5トンの荷物を運ぶというのは、よく考えるとおかしいでしょ。重力がなければ、その必要はない。ゼログラヴィティの車を今は考えています。
――無重力だったら地震があっても関係ないですからね。すべてが浮いているので。
そう、その通り。現代社会は対立すること、ぶつかることはNG。テンションで引っ張り合うこともダメ。物を軽くすることで、無重力の状態に近づけることができます。でも、今回発表した本は重すぎる。自分で言っていることと、やっていることが違いますね(笑)。
――今回発表された本はいつから準備を始めたのですか?
2年前から今回の作品集の準備を始めました。私は大体10年ごとに自分の作品と考え方をまとめた本と香水を、テーマを決めて発表します。