“絹を日常の中で楽しんで”と願う事業者が山口壮大監修で新ブランド「cilk」ローンチ【ファッションが生まれる場所】
もともと着物の帯の織元である井上義浩さん、忍さんが生活雑貨ブランド「OLN」を立ち上げたのは2014年。そんな織元の井清織物さんらしく、畳の上にサンプルや糸を並べてさっそく山口さんとサンプルチェック。サイズや織柄の異なるストールを並べて、色やデザインを調整していく。洋装にも和装にもあう色柄が印象的。そして、柔軟に周囲の意見を採用しながらも、作り手の哲学は守るという姿勢が感じられた。
井清の井上義浩さんとも絹素材のストールの色柄を調整していく
明治時代から昭和40年にかけて、絹は日本を代表する輸出品の一つだった。しかし、その後化学繊維の台頭もあり日本の絹産業は衰退していく。そして現在、国産絹のシェアは日本で消費される絹の1%にも満たないという現実もある。
「絹のみー遊ー」で興味深いのは、一つの絹の産地には拘っていないこと。そして、絹100%ではなく、絹と別の素材の混紡でもよいという点。つまり今日、最高品質とされるブラジル産の絹だったとしても、アイテムに絹が含まれていることがポイントというスタンス。そのことついて山口さんは「プロジェクトのキックオフ当初、絹の産地や絹の混合率についてみんなとも相談しました。