くらし情報『三原康裕が描く、“ジェンダーレス”の先にある未来”--2/2【INTERVIEW】』

2016年8月3日 20:30

三原康裕が描く、“ジェンダーレス”の先にある未来”--2/2【INTERVIEW】

ただ僕は政治論者ではありません。だからあくまでも、世界に対するメタファーとして、ファッションを通して表現を続けていきます。ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)やアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)を引き合いに出すのが、正しいかどうかわからない。彼らが常に理想を掲げて、“性差”から解き放たれた自由な未来を思い描く一方で、三原は現在のファッションや世の中のムードに対して一石を投じるようなコレクションを打ち出した。しかし、リアリストに徹したわけでもない。彼は、十八番である“再建築”を駆使することで、過去をリミックスし、“新しいもの”として提示したのだ。結果、自由で伸びやかな、ある種牧歌的なアイテムが数多く見られることとなった。それは“ポジティブのリアリズム”とも言うべき、経験と研鑽に裏打ちされた、ミハラ流の未来と言ってもいいだろう。
ルック一つひとつを目で追うだけで元気が出て来て、前向きな気持ちにさせてくれる。彼はロンドンで、純粋に“洋服”が好きだった頃の、反骨心あふれるティーンエイジャーに戻ったのだ。じゃあ、これから先のコレクションはどうなるだろう。ミハラヤスヒロが描く未来は、“性差の解放”よりも先にあるような気がしてならない。

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