2011年から続くミュウミュウのショートフィルムプロジェクト「女性たちの物語」の第24作目となる最新作が公開
カルラ・シモンの父母は彼女がわずか6歳のときにエイズで亡くなっており、シモンには両親の記憶があまりありません。「このミュウミュウ『女性たちの物語』の制作では、私の息子に、私が持っていなかったもの、つまり 家族の歴史をあげよう、と思いました。」 シモンにとって、映画は人々の内面で特別な役割を果たします。「映画には欠けているものを埋めてくれる力があります。」 女性による映画制作のためのプラットフォームとしての「女性たちの物語」について、シモンはこう語ります。「何かを創り出すプロセスの中で、現場でチームと一緒に物事に疑問を投げかけるのはとても大切なことです。女性の監督がこうした取り組みを始めているのは、女性だけでなく男性にとっても非常に意義のあることだと思います。」
断片的で捉えどころのない『CARTA A MI MADRE PARA MI HIJO』は、監督の家族へのオマージュであり、部分的にはフィクションであり、全体から深い愛情が感じられる作品です。「私は楽観的な人間です」と語るシモンの新作は、喪失のただ中にありながら優しい希望に満ちています。私たちが何者であるかを理解するためには、現実と過去の空想の記憶をつなぎ合わせて未来を描くという一生涯をかけたプロセスが必要であることを、この映画は感動と共に思い起こさせてくれるのです。