山口百恵からギャングの素顔まで圧巻の790点、「立木義浩1959-2019写真展」上野で開幕
「この(有名人の)コーナーはモデルのアプルーバルと、展示の並び順がすべて。瀬戸内寂聴さんの隣に誰の写真が並べられているか、それを見ただけでこの大変さが分かって頂けると思う。一般公開される明日には(クレームが怖いので)田舎に引っ込む」というジョークは、日本のコマーシャル創世記から生きたレジェンドならではのコメントだ。
2階にはサウスブロンクスのギャングからアラバマのKKKまでが写る“裸の”アメリカやヨーロッパ、アフリカ、キューバ、日本の町や村のスナップが圧倒的な数で迫る。
「玉石混淆(笑)。決して名作を並べたわけではなく、この写真を見た人が何かを感じ取ってくれて、面白がってくれれば良い」「写真に内面は写らない。カメラマンや見た人はたまに勘違いするけれど(笑)。だから外面を丁寧に撮る」「昭和から平成を経て令和、20世紀から21世紀、銀板からフィルム、そしてデジタルと変化しても“写真”という呼び方は変わらない」「いかに時代に潜り込めるか、それがスナップ。その面白さは筆舌に尽くしがたい」「これは集大成ではなく通過点」「上り坂も下り坂も一つの同じ坂」
オープニング当日、プレスの記者たちを前に語る立木節は81歳を迎えた今もエネルギー全開。