夭折した異能のデザイナー・高橋大雅の「応用考古学」というキーワード
織物の観点から建築史を再考するプロジェクト「Texture from Textile」のVol.2として、20世紀に起きた服飾における美意識の変化を展示している。
HOSOO GALLERYで行われている「Texture from Textile Vol.2 時間の衣 - 髙橋大雅ヴィンテージ・コレクション」
一枚の反物を直線で裁断することにより無駄なく考えられた日本の着物と、資本主義の合理性から大量生産を背景に生み出された欧米のミリタリー、ワークウエア、そしてデニム。それぞれの“マインドの融合”をベースにコレクションを構築したデザイナーとしての高橋の思考を辿ったものだ。
リプロダクトではなく リファイン(洗練)させる
「TaigaTakahashi」SS23コレクション
細尾本社外観
「大雅さんとは何度かお会いしており、彼の”百年先に残っていくもの作り”という考え方が西陣織の機屋を出目とするテキスタイルメーカーである細尾と共通するものを感じました。特に経年変化していくものへの美を『応用考古学』という文脈で説明する彼が、ハイスピードのデジタル社会の中で消費していくイメージで語られる20代の世代から誕生してきたことに時代の変化を感じました」