トーガを筆頭に中堅デザイナーが健闘。独自に進化するロンドンの今【2020春夏ロンドンウィメンズ総括:前編】
の作品から着想を得たコレクションを披露しました。彼の数ある作品の中で特に、メキシコシティー内を巨大な氷の塊を完全に溶け切るまで押し続けた様子を撮影した映像作品「実践のパラドックス1(ときには何にもならないこともする)」に感化されたそう。コレクションノートには、「生産過程において“不必要”なことにもっと多くの時間を費やし、そこから何が生まれるのかを見たかった」という古田デザイナーの言葉が記されています。ビニール素材の花のコサージュを合わせたテーラードジャケット、大きなスリットから花柄の裏地が見えるスラックス、PVC素材のエレメントが加えられたビーチサンダルなど、本質的には不必要なものから美しさを見出す試みです。ヘアメイクは個性を生かすかのように極めてナチュラルで、肩の力を抜きつつも、内側から滲み出るエレガンスや力強さを感じられるコレクションでした。「結局のところ、ファッションを作ること自体が不必要。でも、それこそが大切な道楽」と締めくくった古田デザイナーの言葉はとても意義深く、考えさせられました。
トーガ2020年春夏コレクション
トーガ2020年春夏コレクション全ルック
ロンドン・ファッション・ウィークの目玉であり、著しく成長する中堅、ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)