トーガを筆頭に中堅デザイナーが健闘。独自に進化するロンドンの今【2020春夏ロンドンウィメンズ総括:前編】
も、程よくリラックスムードが漂う素晴らしいコレクションを発表しました。毎シーズン注目されるのはコレクション内容だけでなく、アートに造詣の深いクリエイティブ・ディレクター、ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)が誰のどんな作品からインスレピレーションを受けるのかという点です。今季はカナダ人ヴィジュアルアーティストのリズ・マゴー(Liz Magor)という女性。「彼女が作品を通して伝えようとする“見る”という行為に惹かれた。不要になった物に焦点を当て、新たな居場所を与えるというアイデアだ。雑音を打ち消しシルエットにフォーカスした」とショー後のバックステージでアンダーソンは語りました。ショー会場内には、透明のバックスに古びた人形、古着、おもちゃなどの不用品が無造作に入った彼女のオブジェが飾られており、その間をモデルが闊歩するような演出です。ドレープの効いたアシンメトリーなドレス、スリーブが誇張されたトレンチコート、ウエストラインから妙に膨らむテーラードジャケットなど、芸術的とも言える程変幻自在なシルエットが印象的です。
さらに、今季は煌びやかなジュエリーの装飾が目立ちました。