子供の目線で世界を模索する「ゴー・ビトゥイーンズ展」、森美術館で開催
ウォン・ソンウォン《寝坊して》(「7歳の私」シリーズより)2010年 Cプリント86×120cm
東京・六本木の森美術館で5月31日から8月31日まで、「ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界」が開催される。
「ゴー・ビトゥイーンズ(媒介者 )」とは、英語が不自由な両親の橋渡しとして様々な用務をこなす移民の子供達のことを指す言葉。19世紀後半のニューヨークで貧しい移民の暮らしを取材した写真家のジェイコブ・A・リースが作り出した。
本展では、異なる文化の間、現実と想像の世界の間など、“様々な境界を自由に往き来する”子供の性質に注目し、より多様な価値が共存する新たな世界への可能性を模索。世界各国のアーティスト26組の作品を通して、政治、文化、家族など子供を取り巻く環境や諸問題に目を向ける。
見所は貴重な歴史資料の数々。アメリカのフォトジャーナリズムの草分けでもあるリースらによる、19世紀末から20世紀初頭の写真や、第二次世界大戦中にカリフォルニア州の日系アメリカ人収容所の様子を写した宮武東洋の写真などが並ぶ。
国際的に活躍するアーティスト達の日本初公開作品も多数登場。
2009年のベネチアビエンナーレでオランダ館を代表した映像作家のフィオナ・タンに加え、アジアのアートシーンを牽引するウォン・ホイチョンらが日本初公開作品を披露する。