『MOTHER』1/2--1000部限定の美しく、孤独な退廃的雑誌【INTERVIEW】
私自身関心があって、最近の多くの決断の背後にある意識です。例えば、猛スピードで車を運転している時、傍目には死に向かっているようですが、意識は覚醒し、生の充足と静けさを感じている。そうした本能に敏感で自覚的な人達を取材しました。写真家・中平卓馬の70年代の作品、モデルの福島リラを花代が撮影したファッションフォトストーリー、カリフォルニアで「チャボエンジニアリング」というカリスマ的カスタムバイクブランドを主催する木村信也、ダムタイプのアートパフォーマンス、「アンダーカバー(UNDERCOVER)」デザイナー・高橋盾のインタビューなどで構成されています。――創刊号が“GENESIS(創世記、起源)”、2号目が“TRANSCENDENCE(超越)”ですが、毎号のテーマはどのように決めているのでしょうか。特集を考える時に、私が何を感じているか、ですね。それぞれのテーマは社会や経済の情勢、私自身の内面を反映したものになっています。気をつけているのは、抽象的なテーマを選ぶこと、明確なイメージが思い浮かぶものは避けること。
「パンク」や「ロマンティック」など使い古されたコンセプトは選びません。その方が、参加するクリエーターも自由な表現ができるから。