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体操の元日本代表・白井健三が24日、自身のインスタグラムを更新した。【画像】橋本大輝、萱和磨らチームメンバーと共に、全日本体操団体戦優勝に挑む!「2015→2016→2018→2021→2024 全日本で直接会えました☺️」と綴り、写真を投稿。同期で共にしのぎを削ってきた萱和磨との10年間に及ぶ2ショットを公開した。続けて、「改めてオリンピックの金メダリスト同士になれて嬉しいいつも頑張ろうと思わせてくれる最高の存在」と綴り、オリンピックでの活躍を祝福した。 この投稿をInstagramで見る 白井健三 Kenzo Shirai(@kenzoshirai)がシェアした投稿 この投稿には多くのいいねが届いた。
2024年11月25日元体操日本代表の白井健三が4日、自身のインスタグラムを更新した。【画像】「あの時の感動蘇る〜」とファン歓喜!白井健三がオリンピックメンバーで加藤凌平の引退祝い会を「男女アベック優勝おめでとう㊗️」と綴り、複数枚の写真をアップ。白井は、日本体育大学の体操競技部とのショットを公開した。続けて「選手からの「この班楽しかったです!」が何より嬉しい言葉でした結果より内容が良かったことに拍手圧倒的な元気と勢いが魅力のチームで、選手からたくさんのことを教えてもらった有意義な試合までの時間でした♂️」と綴った。最後に「今後もこの良さを忘れて欲しくない!また頑張ろう」と綴り、この投稿を締めくくった。 この投稿をInstagramで見る 白井健三 Kenzo Shirai(@kenzoshirai)がシェアした投稿 この投稿にファンからは「楽しかった、この幸福感が次への原動力になるに違いないでしょう。白井先生の笑顔が勇気づけますね✊おめでとうございます!」「㊗️おめでとうございます♪♪♪」といったコメントが寄せられている。
2024年11月06日元男子体操選手の白井健三が6日、自身のインスタグラムを更新した。【画像】白井健三「Happy birthday 航平さん」仲の良さが伝わるツーショットが話題に✨「オリンピックメンバーで凌平さんの引退祝い大きなものを背負って戦ったメンバー何年経っても偉大な先輩たちですおじいさんになっても集まりましょう」と綴り数枚の写真を公開。今年の8月末に引退表明をした加藤凌平。リオ五輪体操男子団体で金メダルを獲得したメンバー、内村航平、田中佑典、山室光史と共に引退祝いをした様子をアップ。リオ五輪後なかなか見ることがなかった5人揃った大変貴重な投稿だ。5人の仲睦まじい姿をおじいさんになってもぜひ引き続き投稿してほしい。 この投稿をInstagramで見る 白井健三 Kenzo Shirai(@kenzoshirai)がシェアした投稿 この投稿に多くのいいねの他、「リオメン✨すごいメンバーですね!皆さん全然変わってない」「あの時の感動が蘇ってきますね☝️素敵な写真をありがとう❤️」「この健三さんの末っ子感も大好きなんですお写真見れて幸せです!」などのコメントが寄せられた。
2024年10月07日お笑いコンビ・千鳥の大悟が、8日から配信されるJT「スーシャルディスタンス」の新WEB CMシリーズ「あしたの喫煙所」で漫画『あしたのジョー』の丹下段平と初共演する。前作「ゴルゴと大悟ルゴ」が、「日テレCM大賞2021」のデジタル賞に選ばれたJT×大悟の再タッグ。今回の新作では、大悟が特殊メイクで丹下段平そっくりの「大悟段平」に。CMは15秒の「2人にとって」編、「お前が大事」編、45秒の「しつこいジョー」編、「大悟段平、灰になる」編、「丹下段平からの手紙」編、「建て! 建つんだ!」編の合計6編で「丹下拳闘クラブ」や「泪橋」、有名なリング上でのシーンなど『あしたのジョー』ファンにとって馴染みのある舞台が登場する。大悟は丹下段平の特殊メイクについて「スキンヘッドが非常に似合う顔だったということに気づきまして、(スキンヘッドに)してみても良いかなというぐらい。(メイクを)やってくれる人もすごい上手で、1日だけこれで帰っても良いんじゃないかというくらい。明日大変ですけど。それくらい馴染んでます」と満足げ。丹下段平との共演は「力強いですからね、丹下段平さんは。それに負けないように大悟段平をやったつもりです。(手応えは)あります。とにかく前歯が乾いて仕方がなかったです。ただ、やり切りました!」と振り返る。最後に視聴者へ向け「この状態で眼帯もつけてますし前歯も出しているので、ちょっと何話しているか分からないところはお許しください(笑)」と呼びかけた。
2022年02月08日ドキュメンタリー映画『建築と時間と妹島和世』が、2020年10月3日(土)より、全国の劇場にて順次公開される。大阪芸術大学に「丘」ができるまでの3年半の記録映画『建築と時間と妹島和世』は、金沢21世紀美術館やルーブル美術館ランス別館などを手掛け、建築界のノーベル賞と称されるプリツカー賞を受賞した建築家・妹島和世が、大阪芸術大学アートサイエンス学科の新校舎を設計、建築していく様子を記録したドキュメンタリー。大阪芸術大学アートサイエンス学科は、「アートサイエンス」という新しいジャンルの名称が、学科名として文部科学省から初めて正式に認可された場所。新校舎では、アートとサイエンスとテクノロジーを柔軟に連携させてこれまでになかった研究や教育を行い、新たなクリエイターを育てていく。クリエイターの卵たちの学び舎に相応しい場所として、妹島が目指したのは、誰もが立ち寄れる見晴らしのよい丘の上の“公園のような建物”。学生たちの未来が育まれる校舎を、妹島がどう作り上げていくのか。新校舎の構想から完成までに費やした3年6か月を追い、1人の建築家がひとつの建築に向き合う姿を鮮明に描き出す。豪華クリエイターが集結監督・撮影は写真家ホンマタカシ映画に関わる豪華クリエイター勢にも注目だ。監督・撮影は、ル・コルビジェ、丹下健三など数々の建築物を撮影してきた写真家・ホンマタカシ。1990年代から妹島建築を撮影しているホンマが、彼女が手掛ける建築の魅力を、映像によって浮かび上がらせる。またポスターデザインは、グラフィックデザイナーの長嶋りかこが担当した。音楽は、Srv.Vinci の元メン バー・石若駿さらに音楽は、ジャズ・ドラマーの石若駿が担当。King Gnu の前身となった Srv.Vinci の元メンバーであり、くるりのサポートメンバーとしても活躍している彼が、本編に心地の良いリズムをもたらしている。【詳細】映画『建築と時間と妹島和世』公開日:2020年10月3日(土)ユーロスペース他にて全国順次公開監督・撮影:ホンマタカシ出演:妹島和世製作:大阪芸術大学Copyright 2020 Osaka University of Arts. All Rights Reserved.
2020年08月14日寺田倉庫株式会社が運営する建築倉庫ミュージアムは、緊急特別企画として、「隈研吾・西澤明洋が語るアフターコロナの建築とデザイン -建築倉庫×クリエイティブナイト-」を2020年5月14日19時よりYouTubeにてライブ配信いたします。建築倉庫ミュージアムは現在、新型コロナウイルスの感染予防および拡散防止のため臨時休館しておりますが、この期間にも建築および建築模型の魅力をより多くの方に伝えるべく、オンラインコンテンツの充実に力を入れております。今回は、建築倉庫ミュージアムの取り組みのひとつである「建築領域における可能性の拡張」に対し、様々なジャンルのクリエイターを招いたトークセミナー「クリエイティブナイト」を主宰する株式会社エイトブランディングデザインに共鳴いただいたことから、本コラボレーションが実現いたしました。登壇者には、同社代表であり、アーキテクチュアル・シンキング(建築的思考術)を提唱するブランディングデザイナー・西澤 明洋氏と、建築倉庫が運営する模型保管サービス「ARCHI-DEPOT ONLINE」にて、数多くの建築模型を保管する建築家・隈 研吾氏をお迎えいたします。「アフターコロナの建築的思考術」、「建築×ブランディング」、「建築模型の価値」等をキーワードに、第一線で活躍する両氏が、「今」考える建築とデザインについて語ります。【開催概要】タ イ ト ル:緊急特別企画「隈研吾・西澤明洋が語るアフターコロナの建築とデザイン -建築倉庫×クリエイティブナイト-」日 時 :2020年5月14日 19:00~20:10(終了予定)配 信 URL:建築倉庫ミュージアム公式YouTubeチャンネル 視 聴 方 法:詳細は建築倉庫公式サイトおよび各種SNSをご確認ください。公式サイト:公式SNSTwitter :: :料 金 :無料【隈研吾氏について】 年生まれ。東京大学建築学科大学院修了。1990年隈研吾建築都市設計事務所設立。2009年~2020年3月、東京大学教授。2020年4月より東京大学特別教授。1964年東京オリンピック時に見た丹下健三の代々木屋内競技場に衝撃を受け、幼少期より建築家を目指す。大学では、原広司、内田祥哉に師事し、大学院時代に、アフリカのサハラ砂漠を横断し、集落の調査を行い、集落の美と力にめざめる。コロンビア大学客員研究員を経て、1990年、隈研吾建築都市設計事務所を設立。これまで20か国を超す国々で建築を設計し、(日本建築学会賞、フィンランドより国際木の建築賞、イタリアより国際石の建築賞、他)、国内外で様々な賞を受けている。その土地の環境、文化に溶け込む建築を目指し、ヒューマンスケールのやさしく、やわらかなデザインを提案している。また、コンクリートや鉄に代わる新しい素材の探求を通じて、工業化社会の後の建築のあり方を追求している。【西澤明洋氏について】 年生まれ。株式会社エイトブランディングデザイン代表。ブランディングデザイナー。「ブランディングデザインで日本を元気にする」というコンセプトのもと、企業のブランド開発、商品開発、店舗開発など幅広いジャンルでのデザイン活動を行っている。「フォーカスRPCD(R)」という独自のデザイン開発手法により、リサーチからプランニング、コンセプト開発まで含めた、一貫性のあるブランディングデザインを数多く手がける。主な仕事にクラフトビール「COEDO」、抹茶カフェ「nana’s green tea」、ヤマサ醤油「まる生ぽん酢」、サンゲツ「WARDROBE sangetsu」、芸術文化施設「アーツ前橋」、手織じゅうたん「山形緞通」、純金工芸「SGC」、農業機械メーカー「OREC」、ブランド買取「なんぼや」、ドラッグストア「サツドラ」、博多「警固神社」、など。著書に『アイデアを実現させる建築的思考術』(日経BP社)、『ブランドをデザインする!』(パイ インターナショナル)などがある。グッドデザイン賞をはじめ、国内外100以上の賞を受賞。企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年05月10日現在放送中の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」より、東京オリンピックに関わる人々16名の新キャストが発表された。中村勘九郎と阿部サダヲの2人がリレー形式で主演を務める「いだてん」は、いよいよクライマックスを迎えようとしている。1964年10月10日東京オリンピック開会式。それは、1940年東京オリンピックの悲劇を乗り越えた日本の悲願であり、「いだてん」のゴールでもある。今回発表された新キャストは、三谷幸喜、松田龍平、井上順、立川談春、井之脇海、カンニング竹山、前野健太、増子直純(怒髪天)、浜野謙太、角田晃広、黒田大輔、平原テツ、須藤蓮、川島海荷、吉川愛、駿河太郎の16名。そんな1964年東京オリンピックの実現のために結集した、夢と希望とパワーに満ち溢れた人たちだ。日本を代表する映画監督の三谷さんが演じるのは、黒澤明監督に代わり、急遽、公式記録映画『東京オリンピック』の監督に就任する市川崑。松田さんは、国立代々木競技場を設計した日本建築界の巨匠・丹下健三。井上さんは、東京オリンピック組織委員会会長・津島寿一を演じる。また、1964年東京オリンピックを首相として見届ける内閣総理大臣・池田勇人役を落語家の談春さん。最終聖火ランナー坂井義則役を、連続テレビ小説「ひよっこ」などに出演する井之脇さん。国立競技場のすぐそばにある食堂「水明亭」の主人役をお笑いタレントのカンニング竹山さんが。ほかにも、東京オリンピックのシンボルマークを制作した亀倉雄策役を前野さん。黒澤明監督役を増子さん。歌手・三波春夫役を浜野さん。聖火リレー踏査隊員役を角田さん。選手村の料理長役を黒田さん。東京オリンピック組織委員会選手強化本部副本部長役を平原さん。国旗のスペシャリストとして須藤さん。通訳役に川島さん。田畑政治の娘役に吉川さん。そして航空自衛隊パイロット役に駿河さんが決定した。また脚本の宮藤官九郎は「まだ出るか! まだ出すか! なんで出るんだ!? という超豪華な顔ぶれに驚きを隠せません」と今回のキャスト発表へコメントし、「そんな最終章を楽しむ最良の方法、それは、現在放送中の幻の東京オリンピックパートをしっかり観みることです。今こそ観なくちゃ。戦前の招致活動とその反省が、1964年東京オリンピックへの布石となって結実する。作者として最も心血を注いだ部分であり、手前みそですが、最も大河ドラマ的な流れを意識した部分です」と熱く語っている。大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」は毎週日曜日<総合>20時~、<BSプレミアム>18時~<BS4K>9時~放送中。(全47回)(cinemacafe.net)
2019年09月20日ロエベ財団と、ロエベ(LOEWE)のクリエイティブ ディレクターであるジョナサン・アンダーソンによる主催で、今年で3回目の開催となるアワード「ロエベ クラフト プライズ2019」のファイナリスト・アーティスト29名による作品展が、東京・赤坂にある草月会館で、6月26日から7月22日まで行われる。現代のクラフトマンシップにおける卓越性、芸術的価値、新しさを称えることを目的として2016年にロエベ ファンデーションによって設立された「ロエベ クラフト プライズ」。今回の全29名のファイナリストは、前年から44%増加した2,500点を超える応募作品の中から、9名の専門家で構成される委員会によって選出された。その内の10名は、日本人がノミネートしており、過去最多数となる。デロス・ウェバー, アメリカ 『Geisha Handbag Series』花こう岩、すす竹 、ラタン、顔料、可変寸法 2016年西川雅典, 日本 『Form of the wind』漆、リネン生地、和紙、錫粉、白金粉、240 x 520 x 850 mm 2018年丹下健三が設計をし1977年に施工した草月会館の1階にあるイサム・ノグチ作の石庭「天国」で行われるファイナリスト作品の展示。その初日の6月26日のオープニングイベントにて、「ロエベ クラフト プライズ2019」のウィナーの結果発表が行われ、優勝者には5万ユーロが授与される。審査員には、ジョナサン・アンダーソンをはじめ、深沢直人、建築家で工業デザイナーのパトリシア・ウルキオラ(Patricia Urquiola)、エッセイストでロンドン・デザイン・ミュージアム館長のディヤン・スジック(Deyan Sudjic)、ロエベ クラフト プライズ 第2回ウィナーのジェニファー・リー(Jennifer Lee)など、11名で構成される。ロエベ クラフト プライズ審査委員長アナツ・ザバルベアスコアは、「将来コンテンポラリー・クラフトが日常のように語られる時代には、ロエベ ファンデーションのクラフト プライズがそのスキルやレベルの定義となり、クラフトアーティストにとっての指標となることでしょう。第3回ロエベ クラフト プライズの展覧会は、国際レベルのコンテンポラリー・クラフトと、ロエベ ファンデーションが考えるクラフトとは、という姿を証明します」と、選考過程についてコメントしている。【イベント情報】会期:6月26日〜7月22日会場:草月会館住所:東京都港区赤坂7-2-21 1階 草月プラザ 石庭「天国」時間:10:00〜19:00(金曜のみ20時まで)入場無料
2019年06月18日日本でも子どもが楽しめるイベントを企画する美術館が増え、最近は “親子で美術館” の敷居も低くなってきました。その先駆けとも言えるのが「横浜美術館」です。オープン当時からの取り組みは、来年でなんと30年を迎えます。そのため、アートを体験した子どもが、そのときの楽しさを留めたまま成長して親になり、今度は自分の子どもと再訪しているというケースも!長く続く横浜美術館の魅力的な取り組みについてご紹介します。“子どものための施設” を意識した設計横浜美術館は、1989年11月に横浜・みなとみらいにオープンしました。石造りの堂々たる建物は、日本を代表する建築家・丹下健三氏の設計です。国内有数の規模の広さで、左右180メートルの悠々たるファサード、約20メートルの高さの吹き抜けを持つエントランスなど、内部もゆったりと贅沢に作られており、建築そのものも見応えがあります。約1万2千点の所蔵品を有する横浜美術館の理念は、「みる」「つくる」「まなぶ」。そのために、7つの展示室のほかに、2つのアトリエ、美術情報センター、レクチャーホールも併設されています。その中の「子どものアトリエ」となるスペースは設計当初から確保されており、“子どものための施設” を意識した設計は美術館としては珍しいことなのだそう。子どものアート教育への熱意を感じますね。自分の目で見て、自分の手で触れ、自分でする「子どものアトリエ」は、小学校6年生(12歳)までの子どもが対象の、様々な遊びを通した造形体験を提供する場です。その運営は次のような理念のもとに行われています。日本では、明治初頭より、子どもの美術教育は学校で指導するという長い歴史が続いていますが、その目的は、義務教育全体の目的である「自立に必要な基礎的な能力の育成」にあります。子どものアトリエが行う描きつくり鑑賞する活動も、「芸術家の育成」ではなく、「自分の目で見て、自分の手で触れ、自分でする」という自意識の獲得に目的があり、それを楽しい活動として提供するのが私たちの仕事です。ゆえに子どものアトリエでは、美術的な教養として、子どもたちにいろいろな作品の作り方や作家を知ることを性急に求めることはしていません。むしろ、子どもたちの意志的な問題として、見たくなるような、知りたくなるような、コンデションづくりが大切であると考えています。 生涯を通した中で美術館との関わりを考えると、子どもたちはその入り口に立ったばかりです。子どものアトリエはその入り口の案内役として、子どもたちにとって美術館が楽しくかつ親しみのある場になるように、事業運営を心掛けなければならないと考えています。(引用元:横浜美術館|子どものアトリエ 運営理念)※太字は編集部で施したアートを通した人としての成長を促す場として実績を積み重ねた約30年。一貫した活動は本当に素晴らしいものですね。「子どものアトリエ」の活動アトリエだけで約631㎡の広大なスペースの中に、プレイルーム、クラフトルーム、光と音のスタジオ、中庭を有しています。この贅沢な空間の中で毎週行われている様々な活動をご紹介しましょう。【親子のフリーゾーン】毎月3回程度の日曜日に行われている大人気プログラムです。事前申し込みが必要で、先着500名(子どもと家族含む)が定員。小学生以下の子どもは無料、保護者と中学生以上の子どもは一人100円の参加費が必要です。特に決められたプログラムはなく、「ねんどコーナー」「えのぐコーナー」「かみコーナー」があり、用意されたもので自由にどこででも好きなだけ遊ぶことができます。これだけ大人数の親子が一斉に “アートする” 光景は圧巻です!家では汚れが気になってここまで自由には遊べませんから、この開放感はきっと病みつきになるに違いありません。服装はもちろん汚れてもいい格好で。大人になっても忘れられない楽しい思い出だからでしょう、子ども時代に体験した親が自分の子どもを連れてやってくる姿も見られるそう。長年続くのも納得のイベントです。開催日程などの詳細はこちらでチェックしてみてくださいね。■子どものアトリエプログラム 親子のフリーゾーンガイド【ワークショップ】造形プログラムの一環として、年間を通して定期的に講座が開催されています。「幼稚園・保育園の年長児」「小学1・2・3年」「小学4・5・6年」の3つのグループごとに、「わくわく1日造形講座」「わくわく日曜造形講座(3回)」「わくわく1日鑑賞講座」「わくわく日曜鑑賞講座」「夏休み造形講座」「長期日曜造形講座(6回・高学年のみ)」が企画されています。各講座は事前申し込み制の有料で、複数回講座の場合は全日程の出席が必要となります。2018年度の申し込み可能な講座のみ以下にご紹介します。<幼稚園・保育園の年長児>■わくわく日曜造形講座(各3回)2019年2月3、10、17日(親子講座・親子アートクラブ)※申込締切 2019年1月8日<小学生>■わくわく1日造形講座2019年1月19日 親子講座 「音をつなげる、音をひっかく」※申込締切 2018年12月20日■わくわく日曜造形講座(各3回)2019年3月3、10、17日(紙粘土で見て作ろう)※申込締切2019年2月5日各講座定員がありますので、年間スケジュールが出たときにチェックしておいて、興味があるものは忘れないように申し込みましょう。以前の幼稚園年長児対象 “わくわく造形講座”「クリスマス飾りをつくろう」の様子を美術館のサイトで見ると、説明を熱心に聞く姿、集中して作品を作る子どもたちの姿などがアップされています。発泡スチロールでツリー本体部分を作るところまで作り方を指導し、その後の色付けや飾り付けは自由。ツリーだから緑でなければならないという概念や決まりは何もなしです。子どもたちは「サンタさんが見つけやすいようにカラフルにしたよ」「雪だるまが住むツリーだよ」など、自分の思い描くストーリーでオリジナルのツリーを作り上げました。公開されている作品はバラエティ豊か!几帳面に飾りを配置している子、レインボーカラーで彩った子、モールをぐるぐる巻きにしてなんともアートなツリーを作り上げた子などなど、見るのも楽しい作品たちです。学校の授業ではないからこそより自由に感性を発揮できる場として、何より遊びの延長でアートを身近に体験できる場として、とても魅力的な講座となっているのがわかります。【学校のためのプログラム】横浜市内の学校向けの教育プログラムにも力を入れています。個人向けの講座との大きな違いは、“教育現場で活かされる造形活動の試み” を念頭にプログラムが組まれているところです。学校と事前に打ち合わせを行ったテーマで「造形」と「鑑賞」の2つのプログラムが組まれますが、どちらも “アート作品を作る、理解する” というよりは、「造形の仕組みや素材を知ること」を通じて、アートを身近に感じ、実感を持って捉えてもらうための教育なのだそうです。子どもとアートを「親子」「子ども個人」「学校」と、それぞれ違うアプローチから捉え、実際に活動に活かされているところが素晴らしいですね。***3年一度開催される現代アートの国際展「横浜トリエンナーレ」(次回開催は2020年7月)など、芸術文化活動に熱心な横浜市の中心を担う横浜美術館。約30年もの長きにわたり、途絶えることなく子どもとアートをつなぐ架け橋となってきたことに感銘を受けます。横浜美術館の企画展との連携で、参加アーティストとコラボしたプログラムが組まれ、本物に触れるチャンスがあることも魅力のひとつ。親子で感性を解放しに訪れてみてはいかがでしょうか。(参考)横浜美術館|子どものアトリエ創造都市横浜|子どもと芸術文化〜Vol.1 横浜美術館の取り組み横浜トリエンナーレ公益財団法人 横浜市芸術文化振興財団
2018年12月18日こんにちは。アートディレクターの諸戸佑美です。1970年、芸術家の故・岡本太郎氏がデザインした日本万国博覧会(大阪万博)のシンボル ”太陽の塔" が耐震改修工事を終え鮮やかに再生し、今年3月から内部の一般公開も始まってますが、読者の皆さんは ”太陽の塔” をご覧になったことはありますか?”太陽の塔”は、金色に輝き”未来”を象徴する頂部の「黄金の顔」、”現在”を象徴する正面の「太陽の顔」、”過去”を象徴する背面の「黒い太陽」そして、人間の”精神世界”を象徴する「地底の太陽」という4つの顔を持っています。内部にある展示空間「生命の樹(き)」には、生物の進化の歴史を表現したオブジェが飾られ、それらの多くが現代の技術で復元され、躍動感に満ちた空間を体験できます。また、外から見ることができる3つの顔の他に、当時地下に展示されていたものの、万博閉幕後に行方がわからなくなっていた「地底の太陽」を再現、「第4の顔」「幻の顔」とも呼ばれる貴重な展示も見ることができるようになりました。しかし、作者である岡本太郎は、何のためにこの巨像を創ったのでしょうか?【シネマの時間】第41回は、その”太陽の塔”の謎と魅力に迫った長編ドキュメンタリー映画『太陽の塔』をお送りします。監督は、安室奈美恵やAKB48、Mr.ChildrenなどのMVや数々のCMを手がけ、カンヌ広告祭ではヤングディレクターズアワードなど3部門を受賞、公募によって選ばれた映像ディレクターの関根光才氏!当時、岡本太郎の周辺で太陽の塔の事業に関わっていた人々の証言、さまざまな分野の専門家やアーティスト、クリエイターのインタビューなどによって、芸術論だけでなく、社会学・考古学・民俗学・哲学の側面から岡本太郎が語られ、”太陽の塔”に込められたメッセージを解き明かしています。9月29日(土)より渋谷シネクイントほか全国公開中!是非この機会にお楽しみくださいませ!■映画『太陽の塔』あらすじーー岡本太郎は何のために創ったのか?いま明かされる太陽の塔の謎!1970年、日本万国博覧会(大阪万博)は、大阪府吹田市の千里丘陵にて、アジア、日本初の国際博覧会として「人類の進歩と調和」をテーマに開催され、77カ国が参加し約6400万人を動員しました。会場施設の設計を統括する基幹施設プロデューサーに丹下健三。テーマ展示の制作を担うテーマプロデューサーを岡本太郎が務め ”太陽の塔” を制作。「芸術は爆発だ!」という言葉で今でも記憶に新しい芸術家・岡本太郎は、一体何のためにこの塔を創ったのか?ドキュメンタリー映画『太陽の塔』では、当時の記録フィルムのほかに岡本太郎記念館館長の平野暁臣、人類学者の中沢新一、美術批評家の椹木野衣、コピーライターの糸井重里、アーティスト集団のChim↑Pom、探検家の関野吉晴など太郎と「太陽の塔」について語っています。そのほかチベット言語学者、密教学者、チベット仏教僧侶、考古学者、学芸員といった人々にもインタビューを敢行。その内容は曼荼羅のように彩られ、 ”太陽の塔” や岡本太郎を知らない人たちへも魅力的に構成演出されています。「岡本太郎のヒストリー」などを語る、川崎市岡本太郎美術館学芸員の大杉浩司と佐藤玲子ダンサーの菅原小春は、岡本太郎のエネルギーや哲学を身体から溢れるようなダンスで表現縄文の少女(織田梨沙)のフィクション/ドラマシーンも見どころ”太陽の塔” の頂部の「黄金の顔」は、未来。腹部の「太陽の顔」は、現在。背部の「黒い太陽」は、過去を表しています。「新聖感をあらゆる意味で失ってしまった現代に、再び世界全体に対応した、新しい祭りを甦らすことができたら。『祭り』であるためには新聖な中核が必要だ。太陽の塔はそのシンボルである。根源に呼びかけ、生命の神秘を吹き上げる。神像のようなつもり。それを会場の中心に、どっしりと根を張ってすえつける。おおらかな凄みで、すべての人の存在感をうちひらき、人間の誇りを爆発させる司祭として」ー岡本太郎の言葉より大阪万博の記録フィルムから。「太陽の塔」背部の黒い太陽は過去を表している。”太陽の塔” 内部にそびえ立つ「生命の樹」。アメーバには虫類、恐竜から人類に至るまで292体の生物模型が取り付けられています。赤い色が印象的な「生命の樹」は生物の進化の道筋を示すとされていますが、体内のいろいろな器官を表すと考えることもできます。太郎はあらゆる境界を越えていく人でした。精神と物質、人間と動物、縄文と現代。劇中では、「縁起の理法」や「無碍(むげ)」という言葉が語られますが、「縁起」はいろいろなものが関係し合っているという考え方、「無碍」とは妨げがない、壁がないという意味です。パリで太郎と交流があった文化人類学者のマルセル・モースや作家のジョルジュ・バタイユ、粘菌の研究で知られる南方熊楠、禅学者の鈴木大拙らの思想とどう共鳴しているのかなど、森羅万象に深く探求されています。”太陽の塔” 内部にそびえ立つ「生命の樹」渋谷駅連絡通路に設置されている岡本太郎による巨大壁画「明日の神話」は、”太陽の塔”と対をなす、太郎の最高傑作でパブリックアートの代表とも言われます。第五福竜丸が被爆した際の水爆の炸裂の瞬間がモチーフとなっており、悲惨な体験を乗り越え、再生する人々のたくましさを表現。メキシコで”太陽の塔”と同時期に製作された本作は長年行方不明となっていましたが、2003年に発見され修復を経て、2008年10月から東京都の渋谷駅連絡通路に恒久設置されています。巨大壁画「明日の神話」■展覧会『太陽の塔』あべのハルカス美術館にて同時開催!大阪・あべのハルカス美術館にて「太陽の塔」展覧会も同時開催中です!ぜひこの機会に、映画と併せて岡本太郎の芸術・感性・魂を体感してみてはいかがでしょうか。【展覧会概要】大阪吹田の千里丘陵にそびえ立つシンボル「太陽の塔」。1970(昭和45)年に日本万国博覧会のテーマ館の一部として岡本太郎(1911-1996)が作り上げた「太陽の塔」が、今年3月ついに息を吹き返しました。本展では、失われた展示空間を3次元で再現。太郎がテーマ館全体の根源を表現した地下展示を追体験します。万博という人類の祭りに太郎が問いかけたものの根源とは?太陽の塔が内包するものとは?その構想段階から完成、さらには再生事業までを網羅。太陽の塔の関連作品や精巧な模型に加え、映像や音響など多彩なメディアを駆使し、岡本太郎の感性を大きなスケールで体感する展覧会です。会場:あべのハルカス美術館(大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16F)開催期間:2018年9月15日(土)~ 11月4日(日) 開館時間火~金 / 10:00~20:00、月土日祝 / 10:00~18:00(入館は閉館30分前まで)休館日:9月18日(火)出典:■映画『太陽の塔』作品紹介映画『太陽の塔』は、9月29日(土)より渋谷・シネクイント、新宿シネマカリテ、シネ・リーブル梅田ほか全国ロードショー!公式サイト:監督:関根光才製作:井上肇、大桑仁、清水井敏夫、掛川治男エクゼクティブプロデューサー:平野暁臣プロデューサー:曽根祥子、菅原直太、鈴木南美、倉森京子、桝本孝浩、後藤哲也ラインプロデューサー:佐野大プロダクションマネージャー:西野静香撮影:上野千蔵照明:西田まさちお録音:清水天務仁編集:本田吉孝本編集:木村仁カラリスト:Toshiki KameiCGチーフディレクター:尹 剛志アニメーションディレクター:牧野惇音響効果:笠松広司音楽:JEMAPUR製作:映画『太陽の塔』製作委員会(パルコ、スプーン、岡本太郎記念現代芸術振興財団、NHKエデュケーショナル)助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)独立行政法人日本芸術文化振興会企画:パルコ制作:スプーン配給:パルコ製作年:2018製作国:日本/日本語・英語・チベット語上映時間:112分/シネスコ/5.1ch©2018映画『太陽の塔』製作委員会映画『太陽の塔』登場人物岡本太郎(芸術家)赤坂憲雄(民俗学者、学習院大学教授)安藤礼二(文藝批評家、多摩美術大学教授)糸井重里(コピーライター)植田昌吾(太陽の塔設計担当者)大杉浩司(川崎市岡本太郎美術館学芸員)奥山直司(密教学者チベット仏教学者)嵩英雄(太陽の塔ショットクリート技術担当者)唐澤太輔(龍谷大学世界仏教文化研究センター博士研究員)小林達雄(考古学者、國學院大学名誉教授)コンチョク・ギャムツォ(チベット仏教僧侶)佐藤玲子(川崎市岡本太郎美術館学芸員)椹木野衣(美術批評家、多摩美術大学教授)シャーラプ・オーセル(ポン教僧侶)ジャスティン・ジャスティ(ワシントン大学教授、日本美術研究家)菅原小春(ダンサー)春原史寛(美術史研究者、群馬大学准教授)関野吉晴(探検家)舘鼻則孝(アーティスト、ファッションデザイナー)千葉一彦(テーマ館サブプロデューサー)Chim↑Pom(アーティスト集団)土屋敏男(テレビプロデューサー、映画監督)中沢新一(思想家、人類学者)長野泰彦(チベット言語学者)並河進(ソーシャルデザイナー)奈良利男(太陽の塔設計担当者)西谷修(フランス思想哲学者)平野暁臣(空間メディアプロデューサー、岡本太郎記念館館長)マユンキキ(マレウレウ)織田梨沙=縄文の少女【シネマの時間】アートディレクション・編集・絵・文=諸戸佑美©︎YUMIMOROTO
2018年10月05日森美術館15周年記念展「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」開催中!東京・六本木のランドマーク「六本木ヒルズ」。六本木ヒルズ森タワー53Fにある「森美術館」にて15周年記念展「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」が開催中。期間は2018年9月17日(月・祝)まで。世界が日本の建築に注目しているいま、“未来へ紡ぎたい、日本建築のわざ、こころ、かたち”を展示。縄文の住居から最新の現代建築まで100のプロジェクト総数400点超の展示物を通して、日本建築の本質に迫ります。日本建築の“過去・現在・未来”明治維新から150年間、日本は“建築の実験場”でした。日本の成熟した木造文化はどのように進化したのか、西洋は日本建築にどのような魅力を見出したのでしょうか。「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」では、9つの特質で展覧会を構成。機能主義の近代建築では見過ごされながらも、古代から現代までその底流に脈々と潜む“遺伝子”を考察する展示となっています。日本建築を体感! 100プロジェクト。総数400点超。100プロジェクト総数400点超が展示される圧巻のスケール。そして鑑賞するだけの展覧会とは異なり、“体験”できることもこの展覧会の見所の一つです。日本建築を体感できる展覧会となっています。原寸で再現! 千利休の茶室・国宝「待庵」千利休の作とされ現存する茶室建築としては日本最古。国宝「待庵」を原寸で再現しました。日本文化である“わび”の思想を空間化したもので、日本文化を語る上で欠かせない建築物です。二畳の茶席・にじり口を体感できます。丹下健三「自邸」広島平和記念公園・東京オリンピック・大阪万博など戦後の国家的プロジェクトに携わった建築家・丹下健三氏。「美しいもののみ機能的である」と唱えた巨匠の“自邸(現存せず)”を巨大模型で間近で鑑賞することができます。ライゾマティクス・アーキテクチャー×最新技術日本の建築物を最新技術“レーザーファイバー”で原寸再現し、そのダイナミズムを3Dで体感する体験型インスタレーションです。ぜひその世界を体験して。モダニズムの名作家具で構成「ブックラウンジ」戦後のモダニズム建築で有名な「剣持勇」氏、「長大作」氏などのデザイナーの名作家具は、美術館に収蔵されている作品が多く、展示されても触れることはできません。「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」では、オリジナル家具に実際に触れ、座ることができる「ブックラウンジ」を設けました。建築の専門性がなくても楽しめる展示デザイン建築の専門性がなくても楽しめるようにと、展示スペースの壁を3段階に分けて展示。大型の映像・写真などを展示した「遠景エリア」、展示の核となる資料がある「中景エリア」、解説や詳細な説明文を展示した「近景エリア」。さまざまな鑑賞者に配慮しており、建築初心者でも楽しむことができます。東京メトロ日比谷線「六本木駅」1C出口よりコンコースにて直結。日本が世界に誇る日本建築を感じられます。平日のお仕事帰りに見聞を広めるのにぴったりです。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか.イベント情報イベント名:「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」催行期間:2018年04月25日 〜 2018年09月17日住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53F「森美術館」電話番号:03-5777-8600
2018年05月28日東京・六本木の森美術館で、「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」が2018年4月25日(〜9月17日まで)にスタートした。前日に行われた内覧会より本展の見どころをレポートしよう。建築家・建築史家の藤本照信が監修する本展では、日本の建築を読み解く鍵と考えられる「可能性としての木造」「超越する美学」「安らかなる屋根」「建築としての工芸」「連なる空間」「開かれた折衷」「集まって生きる形」「発見された日本」「共生する自然」と9つの特質で章を編成し、機能主義の近代建築では見過ごされながらも、古代から現代までその底流に脈々と潜む日本建築の遺伝子を考察する。レポートする上で特筆すべきはなんといっても圧倒的な展示ボリューム。100のプロジェクトに400を超える点数で、古くは縄文時代の住居から、現在進行中の建築物や未来の計画案など現代建築までを一挙に紐解いている。紹介されている建築家の名を挙げれば、フランク・ロイド・ライト(Frank Lloyd Wright)や丹下健三、黒川紀章、安藤忠雄、磯崎新、隈研吾、杉本博司、SANAA......建築プロジェクトには、平等院鳳凰堂(1053年)、厳島神社(1241年)といった世界文化遺産から古代出雲大社本殿や伊勢神宮正殿、東京オリンピック国立屋内総合競技場(1964年)、日本武道館(1964年)から、現代に建てられた豊島美術館(2010年)や、東京スカイスリー(2012年)、ラ コリーナ近江八幡 草屋根(2014年)、台中国家歌劇院(2016年)などの建築まで......といった網羅具合だ。中でも、「建築としての工芸」のセクションで紹介されている、千利休作と伝えられる現存する茶室建築として日本最古の国宝・待庵は必見だ。京都で実物の待庵を見たことがある人も多くいらっしゃるだろうが、ここでは、ものつくり大学が原寸スケールで再現した模型を、間近で見るだけでなく中に入ることができる。本展の監修者である藤本氏の「千利休は、炉の位置、床の間、腰壁に貼られた紙、障子とそこから入る光、たった2畳のスペースにどこをとっても直しどころのない、完璧かつ芸術的な場を作り出した」という語りにもあるように、用の美を秘めた日本建築の遺伝子を実感すれば、普段は無意識的な日本人としての遺伝子が目覚めてくるだろう。「連なる空間」セクションで紹介されている丹下健三自邸(1953年)は、1/3スケールの巨大模型で再現されている。丹下健三は、広島平和記念公園(1954年)、大阪万博記念公園(1970年)など、戦後の国家的プロジェクトを牽引した建築家。1/3とはいえど、宮大工の技術により実物と変わらない高精度で作り上げられた模型はさらに、タブレットPCを通じて当時の様子が伺える写真とともに鑑賞することもできる。デジタル技術とのコラボレーションといえば欠くことのできない、ライゾマティクス・アーキテクチャーが作り上げた日本建築の原寸スケールを3Dで体験できる空間だ。「Power of Scale」と名付けられたこのインスタレーションでは、レーザーファイバーと映像により、桂離宮や中銀カプセルタワーなど日本建築の空間概念が大小様々なスケールで原寸再現され、鑑賞者はその空間の中に入り込んでダイナミズムを体感することができる。あまりにも見応えがあるので、小休憩を兼ねて展示の中間に設けられたブックラウンジにもぜひ注目していただきたい。ここは、戦後のモダニズム建築時代を牽引してきたデザイナーたちの名作家具で構成されており、丹下健三研究室が設計したマガジンラック付ベンチを囲むように、剣持勇や長大作、大江宏のデザインした椅子が並び、それらに腰掛け書籍を閲覧したりして過ごすことができる。現在では美術館に所蔵されているものも多く、普段手に触れることさえできない名作たちだが、今なお現役で使用されている希少な家具を集め、本来の機能のまま使用ができる大変貴重な機会である。過去に類を見ないこの大掛かりな建築をテーマとした展示により、日本の過去と現在だけでなく、未来像が今ここで照らし出される。【展覧会情報】建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの会期:2018年4月25日〜9月17日会場:森美術館住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階時間:10:00〜22:00(火曜10:00〜17:00、いずれも入館は閉館時間の30分前まで)入館料:一般1,800円 学生(高校・大学生)1,200円 子供(4歳〜中学生)600円 シニア(65歳以上)1,500円最終更新: 5月2日
2017年11月25日森美術館にて「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」が2018年4月25日(水)から9月17日(月・祝)まで開催される。「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」では、貴重な建築資料や模型から体験型インスタレーションなど多彩な展示によって、日本建築の本質に迫る。読み解く鍵として、全体で9つの章を編成。丹下健三、谷口吉生、安藤忠雄、妹島和世など、世界が注目する日本建築の独創的な発想や表現の遺伝子を考察している。千利休作の茶室《国宝・待庵》を原寸再現京都・妙喜庵に現存する日本最古の茶室建築である国宝《待庵》は千利休の作と伝えられている建築。「わび」の思想を空間化したもので、日本文化を語る上で欠くことのできないものだ。本展では、《待庵》を原寸スケールで再現。二畳の茶席やにじり口と呼ばれる出入口で良く知られる、極小空間を体感できる。ライゾマティクスの新作映像インスタレーション世界で初めて実用化されたカプセル型の集合住宅「中銀カプセルタワービル」など名建築の数々を、クリエイティブ集団ライゾマティクスがレーザーファイバーで再現する。新作として発表される3次元の建築空間と映像が織り成す体験型インスタレーションは必見だ。丹下健三《自邸》1/3スケールの巨大模型広島平和記念公園や東京オリンピック、大阪万博など、戦後の国家的プロジェクトを牽引した建築家・丹下健三。丹下が、桂離宮など日本の古建築を再解釈し、建築の新たな可能性を拓いた《自邸》を巨大模型で再現する。今は現存しない建築を今一度見る機会、逃さないで。名作家具を展示・体験できるラウンジ他にも、日本建築史における貴重な資料を一挙公開したり、建築を彩る名作家具を展示・体験できるラウンジを設置。日本建築の過去現在未来を見て、体験できる「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」に是非足を運んでみてはいかがだろうか。開催概要建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの会期:2018年4月25日(水)〜9月17日(月・祝)会場:森美術館住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53F開館時間:10:00〜22:00、火曜日 10:00〜17:00※いずれも入館閉館時間の30分前まで。※会期中無休。入館料:一般 1,800円、学生(高校・大学生) 1,200円、子供(4歳~中学生) 600円、シニア(65歳以上) 1,500円※表示料金は消費税込。※本展のチケットで展望台東京シティビューにも入館可(スカイデッキを除く)。屋上スカイデッキへの入場は、別途料金(500円)が必要。【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2017年11月16日展覧会「日本の家1945年以降の建築と暮らし」が、東京国立近代美術館にて2017年7月19日(水)から10月29日(日)まで行われる。安藤忠雄、隈研吾、伊東豊雄ら56組による住宅建築を紹介安藤忠雄・西沢立衛・隈研吾他、日本の建築家56組による75件の住宅建築を、400点を超える模型・図面・写真・映像などを通して紹介する「日本の家1945年以降の建築と暮らし」展。2016年秋からローマ・ロンドンを巡回し日本での展示は3都市目となる。1945年以降の日本の住宅建築に焦点を当てて本展は、1945年以降の日本の住宅建築に焦点が当てられている。というのも、1945年は日本の住宅建築におけるターニングポイントであり、世界的に見ても珍しい、高名な建築家の手による個人住宅群が多数日本に誕生するきっかけとなった年だからだ。1945年は終戦の年。戦争が終わり、一面が焦土と化し、住宅が圧倒的に不足したことで、土地を買い持ち家に住むことが政策として推奨されるように。結果として建築家による個人住宅が多く誕生した。この時期に「建築家が個人住宅を手掛ける」文化が定着したことで、のちに多くの建築家が個人住宅を手掛けられる環境が作られた。プリツカー賞受賞建築家による個人住宅も誕生高名な建築家が個人住宅を手掛けることは、建築家の仕事のほとんどが公共建築である欧米の多くの国では非常に珍しい。ゆえに建築界で最も栄誉あるプリツカー賞受賞者など日本を代表する建築家による住宅建築の展示は、非常に驚きをもって迎えられ、ローマ・ロンドン両会場で好評を博した。「家族のあり方」などテーマごとの展示70を超える作品は、「プロトタイプと大量供給」、「大地のコンクリート」、「家族のあり方」など13のテーマごとに展示され、依頼者と建築家双方がどのような考えから作品の造形に至ったのかを分かりやすく展示。一見突飛に見える建築も、そのときどきの最先端の暮らしに合わせていくために作られたものであることがしっかりと理解できる。中に入って楽しめる大型模型など体験型企画も展示だけでなく、体験型のイベントも。中に入れる実物大模型や若手建築家との協働による夏休みに合わせたワークショップなど、建築の面白さを存分に体感できる企画も予定されている。【詳細】日本の家1945年以降の建築と暮らし期間:2017年7月19日(水)~10月29日(日)時間:10:00~17:00(金・土は21:00まで)※入館は閉園の30分前まで休館日:月曜日、9月19日(火)、10月10日(火)※9月18日(月)、10月9日(月)は開館会場:東京国立近代美術館1階 企画展ギャラリー住所:東京都千代田区北の丸公園 3 -1料金:一般 1,200(900)円(税込)、大学生800(500)円(税込)※かっこ内は20名以上の団体料金※5時から割引 金・土の17:00以降は一般1,000円(税込)、大学生700円(税込)で観覧可※リピーター割引 本展使用済み入場券提示で二回目以降一般500円(税込)、大学生250円(税込)で観覧可出展建築家一覧:相田武文、青木淳、東孝光、アトリエ・ワン(塚本由晴+貝島桃代)、阿部勤、安藤忠雄、五十嵐淳、生物建築舎(藤野高志)、生田勉、池辺陽、石山修武、伊東豊雄、乾久美子、o+h(大西麻貴 +百田有希)、大野勝彦+積水化学工業、岡啓輔、柄沢祐輔、菊竹清訓、岸和郎、隈研吾、黒川紀章、黒沢隆、金野千恵、坂倉準三、坂本一成、篠原一男、篠原聡子、島田陽、白井晟一、清家清、妹島和世、丹下健三、手塚建築研究所(手塚貴晴+手塚由比)、dot architects(家成俊勝+赤代武志)、中川エリカ、中山英之、難波和彦、西沢大良、西沢立衛、西田司、長谷川逸子、長谷川豪、広瀬鎌二、藤井博巳、藤本壮介、藤森照信、前川國男、増沢洵、宮本佳明、無印良品、毛綱毅曠、山下和正、山本理顕、吉阪隆正、吉村順三、アントニン・レーモンド【問い合わせ先】ハローダイヤル03-5777-8600
2017年05月13日瀬戸内を訪ねるにあたり、気になるアーティストがいた。1902年香川県高松市に生まれた画家・猪熊弦一郎。スキャパレリーピンクの小石が遊ぶように書かれた三越の包装紙「華ひらく」のデザインや、JR上野駅の中央改札の上に架かる壁画「自由」も広く知られる彼の作品だ。きっと誰もが、一度は猪熊の作品を目にしたことがあるだろう。今回FASHION HEADLINEでは作品を通じて猪熊弦一郎とはどんな人物だったのか知るために、彼の故郷・香川県にある「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(通称 MIMOCA、以下MIMOCA)」を訪ねた。■駅前に現代美術館を作った理由MIMOCAは、猪熊弦一郎の生前に完成した美術館だ。故に、美術館の設立を猪熊に提案した丸亀市の熱意と、猪熊本人の思いが込められた館になっている。美術館があるのは、高松駅からJR予讃線で約40分のところにあるJR丸亀駅から、徒歩1分のところ。まさに駅前美術館だ。1902年香川県高松市に生まれ、幼少期の一時期を香川県丸亀市で過ごした猪熊弦一郎。MIMOCAの設立は、丸亀市から猪熊へ「猪熊弦一郎の記念館を作りたい」という提案からはじまったという。しかし、猪熊は「私個人の記念館ではなく、世界の現代美術と触れ合える美術館にしましょう」と逆提案したのだと同館の学芸員、古野華奈子さんが教えてくれた。現代美術館にしたいと猪熊が願ったのは、自身の作品だけでなく現代の優れたアーティストや現代美術を紹介することで、何度も足を運びたくなる場所にしたいという願いから。そして、それが西洋の教会のように「訪れるとすっきりリフレッシュできるような「心の病院」のような存在でありたい」と生前猪熊は語っている。■MIMOCAの建築はMoMAも手がける建築家・谷口吉生駅からMIMOCAに向かうと、大きく広げたキャンパスのような猪熊による壁画「創造の広場」の脇に小さなドアがある。このトンネルの中に入って行くような感覚を覚えるエントランスを抜けると高さ14mにも及ぶ自然光が差し込む吹き抜けが私たちを迎えてくれる。「猪熊は小さな頃からいいもの、いい空間を体験して欲しいと願っていました」と古野さん。その願いから、今でも高校生までは無料で入館することが可能だ。猪熊は才能を見出すことにも長けていた人物。丹下健三の名建築の一つである香川県庁も、歴史を紐解けば当時の香川県知事から猪熊が県庁建築にあたり相談を受けた折に、丹下の名前を挙げたのがきっかけだという。MIMOCAの建築にあたっては、後にニューヨークのニューヨーク近代美術館(MoMA)の建築をデザインコンペで勝ち取る建築家、谷口吉生が猪熊によて選ばれた。谷口の設計による展示室の一つからは、その上部に設けられた横長の窓から丸亀の空を覗くことができる。美術館を訪れた人は、その日の空模様を感じながら作品と向き合うことができるだろう。また、展示室からカフェへと渡るガラス張りの渡り廊下からは駅前の光景を眺めることができる。「街の人々に訪れてもらえる場所に」という熱意はMIMOCAにもう一つのエントランスがあることからもよく分かる。前述の入り口の横に、建物に入らずとも上へ昇ることが可能な大階段がある。その先にあるのは、瀬戸内の海を思わせるような青の絨毯が印象的なカフェレスト MIMOCAや、猪熊の蔵書等を公開する美術図書室などの共有スペースだ。街に開かれた場所でありたいという思いが、至るところから感じられる仕掛けだ。後編は、MIMOCAの収蔵作品を通じて知る、アーティスト猪熊弦一郎が生涯求め続けた"美"について
2016年06月28日東京を離れ、山へ、海へ向かうようになって気づかされたことがある。なんだかとても空が広いし、山を見れば自分がどの方角に向かって歩いているかが一目瞭然。とっても気持ちがよいものです。新宿駅から特急あずさに乗れば、山梨の玄関口である甲府駅までは約90分。ほんの少し都会を離れただけで、こんなにも気分が一新するなんて!駅前には丹下健三建築がどどんと構え、甲府駅を挟んだその反対側には甲府城跡がそびえる。新旧のパワーに満ちた建造物の迫力に驚きながらの山梨とりっぷのはじまりです。ここで簡単に、なぜ山梨に行くことになったのかをお話しましょう。昨年からFASHION HEADLINEでは、日本各地の染織の産地への取材をスタートしました。その中で、藍染めをする北国のおばあちゃんも、南国のおじいちゃんも藍の発酵を促すために砂糖や泡盛を入れていることを知りました。むむっ、なぜ砂糖や泡盛が発酵を促すのか??この疑問がずっと胸に残っていて、発酵って一体何が起こることなのか?という問いにぶつかりました。そこでそんな話を『灯台もと暮らし』の鳥井弘文さんにしたところ、「発酵好きが高じて、最近山梨に引っ越したデザイナーがいるよ」と、発酵デザイナーの小倉ヒラクさんを紹介して頂きました。という訳で、発酵デザイナーの小倉ヒラクさんを訪ねに山梨へ行き、彼をナビゲーターに2つの特集をお届けすることになりました。特集1:山梨のくらし一つは、土地の恵みや歴史的背景と共にある文化や営みについて辿る『山梨のくらし』特集。この特集では、山梨の特産品である甲州印伝の老舗「印伝屋 十三代上原勇七」の工房を訪ねたり、その味の魅力に惹かれて山梨に足を運ぶ人の多い甲州ワインを知るため山梨のワイナリー「旭洋酒」「マルサン葡萄酒」を取材しました。また、山梨名物であるほうとうに欠かせない調味料・味噌の魅力を発信する「五味醤油」の五味兄妹にも会いに行ってきました。それから、甲府駅の近くで男前なクラフトビールを作る「アウトサイダーブルーイング」にも足を運びました。山梨は食の宝庫でもありました。ここには書ききれないくらい、美味しい味に満ちていました。【山梨のくらし:目次】1:手前味噌を作ってみたら。日本食に欠かせない味噌の話--五味醤油2:無限の可能性を秘めたクラフトビールが出来るまで--アウトサイダーブルーイング3:山梨のぶどうと水が育む甲州ワイン。--旭酒造、マルサン葡萄酒(近日公開予定)4:印伝が生まれたのには訳があった。くらしと共にある工芸--印伝屋(近日公開予定)特集2:発酵めがねそれから、目に見えないワンダーランドである発酵ワールドを小倉ヒラクさんと読み解く「発酵めがね」。こちらは、私たちを取り巻く世の中を「発酵めがね」という眼鏡で覗いたら、いつもと違う世界が見えるよ。という特集です。初回は山梨を舞台に、味噌、ワイン、クラフトビール、酵母パンを発酵めがねで覗いてみました。この発酵めがねは、これからも続けていきたいと思います。【発酵めがね:目次】1:小倉ヒラクさんに訊く味噌にまつわるエトセトラ!そもそも、味噌ってどんな調味料?2:小倉ヒラクさんに訊くクラフトビールが美味しいひみつ!クラフトビールはセクシー?3:小倉ヒラクさんに訊く、印伝に隠された日本人の知恵!すべての技には理由がある?(近日公開予定)4:発酵デザイナー小倉ヒラクさんに訊くくらしの中にある発酵。パンがふくらむのも発酵力!(近日公開予定)どうぞお楽しみに!
2016年06月15日展覧会「ミケランジェロ展 ルネサンス建築の至宝」が2016年6月25日(土)から8月28日(日)まで、東京・汐留で開催される。イタリア・ルネサンスの巨匠ミケランジェロは彫刻、絵画、建築という芸術の3つの領域において才能を開花させた。本展では、システィーナ礼拝堂の下絵など、ミケランジェロ本人による素描や書簡も含めてその数はおよそ70点だ。また、模型や映像を通してミケランジェロの建築や紹介したり、イタリアでの調査の成果をコンピューター・グラフィックス映像で表現するなど、作品以外にも見どころは満載。東京会場の汐留ミュージアムのみ、近代日本において彼がどのように受容されてきたかを紹介する特別コーナーを設けられており、丹下健三や磯崎新らの資料を展示する。会場デザインはミケランジェロに多大な影響を与え続けた古代ローマの遺跡をモチーフにした。ミケランジェロ本人はもちろん、彼の作品は何から影響を受けたのか、彼の作品がその時代の世界にどのような影響を与えたかにも注目する本展、是非足を運んでみてはいかがだろうか。【概要】ミケランジェロ展 ルネサンス建築の至宝会期:2016年6月25日(土)〜8月28日(日)会場:パナソニック 汐留ミュージアム住所:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階開館時間:10:00〜18:00休館日:水曜日、8月12日(金)〜18日(木)入館料:一般 1,000円、65歳以上 900円、大学生 700円、中・高校生500円、小学生以下無料※20名以上の団体は100円割引。障害者手帳持参者、付添者1名まで無料。【問い合わせ先】NTTハローダイヤルTEL:03-5777-8600
2016年04月23日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週金曜日は、代官山蔦屋書店(東京都渋谷区猿楽町17-5)が選ぶ書籍を紹介します。■「TANGE BY TANGE 1949-1959/丹下健三が見た丹下健三」豊川斎赫1949年から1959年の10年間に渡り、丹下健三本人が撮影した写真(コンタクトシート)を原寸大でまとめた本書。無類のカメラ好きだった丹下が、自身の作品や渡航先での様子、桂離宮などを訪れた際に撮影した写真の数々。竣工当時の風景を捉えた貴重な丹下作品集でもある。世界的建築家の地位を確固たるものにしたこの10年間に丹下健三がカメラを通して見ていたものとは。建築史に残る永久保存版必須の名著です。【書籍情報】「TANGE BY TANGE 1949-1959/丹下健三が見た丹下健三」著者:豊川斎赫言語:日本語、英語ハードカバー/252ページ/278×310mm発刊:2015年価格:1万4,999円
2015年04月24日TOTOギャラリー・間は展覧会「TANGE BY TANGE 1949-1959 丹下健三が見た丹下健三」を開催する。期間は1月23日から3月28日まで。この展覧会では戦後を代表する建築家の丹下健三が、自らのカメラで撮影した建築写真を展示。その内容は50年代に撮影されたものが中心となっており、多くの未公開写真が今回初めて出品される。東京都庁舎や広島平和会館原爆記念陳列館が、完成当初の姿のままフィルムに収められているが、中でも注目なのが初期代表作の一つとなった香川県庁舎だ。10年間にわたる建設の過程が、丹下の写真によって再現されている。また、丹下は自身の建築物のみならず、桂離宮など国内の伝統建築や、フランスの建築家ル・コルビュジエによる作品なども写真に残している。ファインダーを通じて、丹下が建物のどこに注目していたのか。後に巨匠と呼ばれるに至った、丹下の建築家としてのモーメントを知る、またとない機会となりそうだ。同展の監修を行った建築家の岸和郎は「丹下健三は今でこそ戦後日本を代表する建築家ですが、1人の建築家として何に興味を持ち、それを自分の目でどうとらえようとしたかがよく伝わってくるため、初めて丹下さんが自分にとって近しい存在に思えた」とコメントしている。なお、丹下の10回忌にあたる3月22日には、建築会館ホールでシンポジウム「丹下健三没 10 年『今、何故、丹下なのか』を問う」が開催される。ゲスト講演者には、建築家の岸和郎や豊川斎赫などを招聘。「不安と混乱に満ちた1950 年代を駆け抜けた丹下健三」「20 世紀に丹下健三は何を成し遂げたのか?」「21 世紀に丹下健三は可能か?」の三つのプログラムで、丹下の生涯とその功績を紐解いていく。これに先駆けて、1月には豊川斎赫の編著による書籍『TANGE BY TANGE 1949-1959/丹下健三が見た丹下健三』が発刊される予定だ。【イベント情報】TANGE BY TANGE 1949-1959 丹下健三が見た丹下健三会場:TOTOギャラリー・間住所:東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3階会期:1月23日から3月28日時間:11:00から18:00料金:無料休館日:月・日曜日、祝日(3月22日は開館)
2015年01月08日古さと新しさが隣り合わせにある東京の街。その不思議な融合(カオス感?)は、海外から観光に来たみなさんが必ず驚かれるところです。では、ある程度日本になじんだ方々にはどう見えているのでしょうか。そこで、日本在住の外国人20名に、浅草、秋葉原、池袋、東京駅(丸の内)、六本木、お台場、銀座などのエリアを挙げ、「東京都内でどのエリアが"かっこいい"と思いますか?」と質問してみました。■お台場。(ロシア/20代前半/女性)■お台場。(スペイン/30代後半/男性)■お台場。(アメリカ/20代後半/男性)■お台場。(アルゼンチン/30代前半/男性)■お台場。(スウェーデン/40代後半/女性)■お台場の夜景。(ペルー/30代前半/男性)「東京で現代的な場所」を聞くアンケートでも、多数の回答数を集めた「お台場」。丹下健三が設計したシルバーの壁面と球体が印象的なFCGビル(フジテレビのあるビル)が湾岸にそびえ立つ様子、海外スタイルの空間をたっぷり取ったショッピングモールや1/1ガンダムのある「ダイバーシティ東京」など、確かに「かっこいい」ものが多い地域です。また、回答にもある「夜景」は、その地からはもちろん、ゆりかもめから見るとさらに幻想的かつかっこよく見えると話題です。映画『AKIRA』で描かれたネオ東京の雰囲気もなんとなく感じられるのは筆者だけでしょうか。■銀座。(トルコ/30代前半/女性)■銀座。(タイ/30代後半/女性)■銀座です。(フィリピン/40代前半/女性)■銀座です。(韓国/40代後半/男性)■銀座が最もかっこいいと思います(マレーシア/30代前半/男性)「銀座」は、海外からの観光客が必ず訪れるショッピングエリアとして有名です。伝統と歴史のある場所かつ地価が高い場所だけにハイブランドのショップも多く、海外から来た人たちになじみ深さも与えるのかもしれません。また回答者にアジア圏の方が多いのですが、銀座を訪れる観光客にアジア系の方が多いという話を考えると納得の行く話です。ハイブランドのショップはショーウインドーも手が込んでいます。歩行者天国の日に、上質な建物と華やかなショーウインドーを見て歩けば「かっこいい」という印象になるのもわかる気がします。■六本木です。(ブラジル/20代後半/男性)■六本木です。(ベトナム/30代前半/女性)■六本木、浅草だと思います。(チュニジア/40代後半/男性)■六本木、銀座。(イギリス/20代前半/女性)大使館が多く、外国人が多く集まるエリア。「六本木ヒルズ」や「東京ミッドタウン」などの巨大ショッピング施設、「ザ・リッツ・カールトン東京」や「グランドハイアット東京」などの高級ホテル、「森美術館」や「国立新美術館」といった美術館からタカ・イシイギャラリー(フォトグラフィー/フィルム、モダン)などの個性的なギャラリーまで、アート面でも充実しています。そのどれもがスタイリッシュなので、回答が集まるのもうなずけます。その反面、人によっては、日本人でも多少(?)気後れするエリアですよね……。■池袋と秋葉原。(台湾/40代前半/男性)■池袋。(イスラエル/30代後半/女性)■池袋。(オーストラリア/40代前半/男性)国内では比較的ファミリー層に人気の池袋も「かっこいい」街としてランクイン。テーマパークや水族館のある「サンシャインシティ」、「ビックカメラ」や「ヤマダ電機」などの家電量販店、ファッションビルなど雑多な雰囲気が、ある種の日本らしさを象徴しているといえます。ちなみに「池袋と秋葉原」という回答がありますが、アニメ文化と家電量販店の多さでは共通項のある場所でもあるんですよね。■丸の内。(ドイツ/40代前半/女性)■東京駅です。(中国/20代後半/女性)明治時代に初めて誕生した西洋建築のオフィスビル「三菱一号館」、先頃修復が完了した「東京駅」など昔懐かしい赤レンガ造りの建物の一方で、近代的なオフィスの立ち並ぶ地域が「丸の内」です。丸ビルや新丸ビル、「丸の内オアゾ」などの商業施設だけでなく、皇居周辺に出れば街中でありながら美しい緑が広がるところもポイントです。お台場、銀座、六本木あたりに回答が集中した今回のアンケート。現代的、伝統、ハイクラス感など街ごとの印象は大きく異なるだけに、回答者の視点の違いが浮き彫りになる結果となりました。……と書きながら、そういえば自分は都内のどのエリアが「かっこいいか」考えたことはなかったなと気づき、あらためて考えてみたのですが、回答を出すのって意外と難しいんですよね。みなさんはいかがですか?
2014年10月30日西新宿にドーンとそびえる東京都庁。丹下健三(構造設計は武藤清)の設計で約2年半をかけて建築、1991年4月に丸の内から移転しました。新宿副都心の中心建築物として、行政的な役割を果たす場であることはもちろん、国内外の観光者が訪れる施設としても人気が高い場所です。パークハイアット東京からも近いため、観光に訪れた外国人がセットで訪れることでも有名。では、この庁舎自体のデザインについてはどんな印象があるでしょうか。そこで、日本在住の外国人20名に「東京都の中核である庁舎"東京都庁"のデザイン、どう思いますか?」と質問してみました。■都庁はいいと思います。すごく現代的でかっこいい。(スウェーデン/40代後半/女性)■現代的(イスラエル/30代後半/女性)■現代的(オーストラリア/40代前半/男性)■初めて見た時にはロボットみたいだと感じました。(タイ/30代後半/女性)丹下健三の後期の代表作。機能だけでなく装飾性なども加味したポストモダン的なデザインは、80年代に流行した建築スタイルでもあります。バブル経済の最中に計画された超高層ビルという要素もあり、より現代的な印象を与えているのかもしれません。■権威を感じます。(韓国/40代後半/男性)■とても高くて頑丈に見える。(イギリス/20代前半/女性)■すごいという印象を与える。(ロシア/20代前半/女性)■現代東京の建築のよいシンボルである。(スペイン/30代後半/男性)■昔から都庁はかっこいいと思っています。好きなランドマークのひとつです。(フィリピン/40代前半/女性)■かっこいいと思います。(マレーシア/30代前半/男性)■オシャレです。(中国/20代後半/女性)■少し古い感じがしますが、きれいです。(ブラジル/20代後半/男性)■穏やかな雰囲気がする。(台湾/40代前半/男性)第一本庁舎の高さは243m。横浜ランドマークタワーが完工する1993年までは日本一の高さのビルとして名をはせました。第一本庁舎、第二本庁舎、都議会議事堂の3棟で構成。第一本庁舎はパリ・ノートルダム大聖堂から引用した正八角形をモチーフにするゴシック風の外観です。また第二本庁舎には、同じく丹下が建設した新宿パークタワーと連続した要素があり、地域一帯をつなぐ統一性が感じられます。現在はミッドタウンタワーに抜かれたものの、新宿では1番の高さであり、さらに聖堂をモチーフにしていることが「権威」と「穏やか」といった一見相いれない要素を感じさせ、さらにシンプルに「すごさ」や「かっこよさ」も感じさせるのでしょう。■デザインはかっこいいと思いますが、他の国でもよく見かけるものという感じもします。(トルコ/30代前半/女性)■デザイン的にはすてきだと思いますが、実用的かどうかは別問題だと思います。管理費用がとてもかかっている話を聞いたことがあるので。(ドイツ/40代前半/女性)現実的な回答。実際、2006年には雨漏りの補修に約1,000億円が必要との記事が日本経済新聞に掲載されています。特殊なデザインのため、一般的な補修方法では対応できないことがその理由なのだとか。そうした問題をのぞけば、東京を示すアイコンとしての評価は高く、映画『ゴジラvsキングギドラ』、アニメ『機動武闘伝Gガンダム』、ゲーム『ソニックウィングス』などで都庁を見ることができます。■特に印象的でもないです。(アメリカ/20代後半/男性)■悪くはないけど特によくもない。(アルゼンチン/30代前半/男性)■特に印象的でもないです。(ペルー/30代前半/男性)■形が普通です。(ベトナム/30代前半/女性)大きなくくりで言えば高層ビルのひとつ。高層ビルが多いアメリカなどではきっと日常の光景ですし、まあパッと見の印象は「ごく普通」ですよね。筆者も免許証の更新などで都庁へ行くことがありますが、外国の方に人気の展望室にはまだ行ったことがないんですよね。今回のアンケートで興味が湧いたので、一度行ってみたくなりました。あの一帯には独特な雰囲気を感じるのですが、みなさんはいかがですか。都庁も含め、開発によって完成した副都心らしい道幅や空間の雰囲気もあるから? 頻繁には行かない場所だけに、探検してみると面白い情報や発見があるのかも知れませんね。
2014年10月17日団地初心者にお勧めの団地ってどれですか? と訊かれたら、「そうだねえ…」とメガネを外しレンズを拭きながらぼくは答えるだろう。白髭東アパートと河原町団地だ、と。というか「団地初心者」ってなんだ。白髭東アパートは第1回目でご紹介した長さ1kmのびっくり防火壁団地だ。あれには誰もが度肝を抜かれるだろう。そして今回ご紹介するのが河原町団地。こちらもびっくりだよ。ご覧頂こう。どーん!どうですか。すごいよねえ。かっこいい。この河原町団地は川崎市幸区にある。団地を見に行きたいけど、どの団地を選んだらいいか分からない、という方は迷わずここへ行って見てほしい。初心者から手練れの団地マニアまで大満足の団地だ。外観もかっこいいが、内部もすごい。友人が住んでいて、部屋を見せてもらったことがあるがその複雑な間取りにびっくりした。この団地は1972に入居開始。今年で42歳。ぼくと同い年だ。設計者は大谷幸夫。国立京都国際会館の設計で有名な建築家だ。残念ながら昨年2013年に亡くなってしまった。一度お会いしてみたかった。「河原町団地ちょうかっこいいですね!」って言いたかった。この国立京都国際会館は映像作品にしばしば登場する。例えばウルトラセブンの「ウルトラ警備隊西へ」では地球防衛軍の基地になっている。わかるー。地球守りそう。言われてみれば河原町団地も宇宙コロニーっぽい。団地と言えば真四角の羊羹のような形のものを思い浮かべると思うが、こういう意欲的なデザインのものもあるのだ。残念ながら現存しないが、公団初の本格的な高層団地だった「晴海高層アパート」もモダニズム建築の巨匠・前川國男設計のとてつもなくかっこいい作品だった。いまでも一部が八王子にあるUR都市機構「集合住宅歴史館」に移築保存されているのでぜひ見てみてほしい。前川國男はコルビュジエの弟子と呼ばれていたが、大谷幸夫も丹下健三の片腕と称され広島平和記念資料館の設計を手伝ったそうだ。団地にはそういったきら星のような大建築家を起用した時代があったのだ。○コロニーにもお祭りは欠かせないさて、今回はこの宇宙コロニー団地・河原町団地のお祭りを見てきた。ハイライトは御神輿の練り歩きだ。この宇宙コロニーと御輿との組み合わせは、猛暑とあいまって、まるでくらくらする白昼夢の中の出来事のような光景だった。まるで宇宙コロニーから発射される「御神輿型戦闘艇」のようだ。なんてかっこいい。団地が盛んに建設された時代、まさにそれは新しい理想的・文化的生活を実現するコロニーだったはずだ。そして共同体には必ず祭が必要だ。団地は「町」だからお祭りが行われる。河原町団地の祭を見ながら、きっと本物の宇宙コロニーができたらきっとそこでもお祭りが行われるんだろうな、と思った。※国立京都国際会館の写真クレジットは下記の通り©PlusMinus ・Wikipedia「国立京都国際会館」<著者プロフィール<大山顕1972年生まれ。フォトグラファー・ライター。主な著書に『団地の見究』『工場萌え』『ジャンクション』。一般的に「悪い景観」とされるものが好物。デイリーポータルZで隔週金曜日に連載中。へんなイベント主催多数。Twitter: @sohsaiイラスト: 安海
2014年08月08日先鋭的なビジュアル表現かつ根源的なテーマで発信する『マザー(MOTHER)』マガジン。ロンドンを拠点にする写真家、ケイト・フレンド(Kate Friend)により2012年に創刊されたインディペンデント・ファッションカルチャーマガジンだ。パリのセレクトショップ「コレット」をはじめ、東京の「代官山 蔦屋書店」などで取り扱いがある。特徴的なのは、日本のアートやカルチャーをメインコンテンツとして扱っていること。高木由利子や花代といった日本人写真家による撮り下ろしストーリーの他、大御所の奈良原一高、中平卓馬から新進の山内悠までの日本の前衛的な写真表現、丹下健三や安藤忠雄の建築などをフィーチャーし、一貫した美意識と日本文化への関心の高さがうかがえる。その3号目にあたる「EROS/THANATOS(生と死)」が5月28日にリリースされ、編集長のケイトが来日。製作の背景と日本文化を取り上げる理由について聞いた。――まず、最新号の内容について教えてください。毎号テーマを決め、それに沿った編集内容にしています。今回は、EROS/THANATOSという、相反するようでいて、実は近しいようにも思える生と死への衝動について特集しました。私自身関心があって、最近の多くの決断の背後にある意識です。例えば、猛スピードで車を運転している時、傍目には死に向かっているようですが、意識は覚醒し、生の充足と静けさを感じている。そうした本能に敏感で自覚的な人達を取材しました。写真家・中平卓馬の70年代の作品、モデルの福島リラを花代が撮影したファッションフォトストーリー、カリフォルニアで「チャボエンジニアリング」というカリスマ的カスタムバイクブランドを主催する木村信也、ダムタイプのアートパフォーマンス、「アンダーカバー(UNDERCOVER)」デザイナー・高橋盾のインタビューなどで構成されています。――創刊号が“GENESIS(創世記、起源)”、2号目が“TRANSCENDENCE(超越)”ですが、毎号のテーマはどのように決めているのでしょうか。特集を考える時に、私が何を感じているか、ですね。それぞれのテーマは社会や経済の情勢、私自身の内面を反映したものになっています。気をつけているのは、抽象的なテーマを選ぶこと、明確なイメージが思い浮かぶものは避けること。「パンク」や「ロマンティック」など使い古されたコンセプトは選びません。その方が、参加するクリエーターも自由な表現ができるから。――雑誌を創刊した理由を教えてください。既存メディアがコマーシャルになりすぎ、自分が仕事をしたいと思う媒体がないことが原因です。私はコマーシャルでありながらも、クリエーティブで実験的なプラットフォームをつくりたいと思いました。ロンドンでは、インディペンデントメディアの動きが盛んになっています。写真家のニック・ナイトによるファッションを表現するインターネットプラットフォームSHOW studioもその一つです。でも、私は雑誌という紙媒体にこだわりました。『MOTHER』はわずか1,000部しか刷りません。印刷や紙の質など、ものとしてのクオリティーにこだわりを持ち、美しいオブジェとしてデザインしています。紙という素材が珍しくなるほど、印刷物は、魅力的で、退廃的な存在になると思うのです。――あまりアドページを入れてませんが、広告に対して積極的ではないのでしょうか。いいえ、むしろ広告媒体にもなりうるプラットフォームだと考えています。ファッションブランドはコマーシャルになりすぎない、新しい広告手法を探しているように思います。『MOTHER』はブランド広告ではなく、編集ページをファッションブランドがスポンサードするアドバトリアルの方法を模索しているのです。2/2に続く。
2014年07月11日お台場にいまほど多くの人が訪れなかった1996年当時、海沿いに現れたのはこれまで見たことのない、ひときわ目を引く建物でした。格子状の構造と球体の組み合わせが印象的なそのカタチについて、株式会社フジテレビジョン 広報局にお話をうかがいました。――フジテレビ本社ビルの概要について教えてください。高さ123.45メートル(地上25階、地下2階)の建物で、正式名称は「FCGビル」といいます。1993年4月から1996年6月にかけて工事が行われ、(当時フジテレビの本社があった)新宿区河田町から移転しました。――設計者について教えてください。国外で活躍する日本人建築家の先駆けであり、「世界のタンゲ」と称された丹下健三氏です。FCGビルは後期の代表的な作品となっています。――丹下氏が直接指揮をとった最後の建築とも言われていますね。また、幅12メートル、長さ100メートルという圧巻の大階段、外のチューブ状のエスカレーターなど、印象的なデザインが目を引きます。メタリックな素材と、球体が組み込まれたオブジェのような造形が彫刻のようですが、このカタチに込められたコンセプトなどはありますか?お台場のシンボルとなるようなデザインであることと、外部と内部の空間が一体化された"開かれたテレビ局"になることを目指しました。――コンセプト通り、デザインはもちろん、観光スポットとしてもお台場のシンボルになっていますね。ところで、展望室として一般に開放されている「球体」部分(球体展望室「はちたま」)の大きさはどのくらいですか? そして、球体にはどのような素材が使われているのでしょうか?直径が32メートル、重量は1,200トンにもなり、外側には3,200枚の「チタン」パネルが貼り込まれています。チタンは耐候性に優れているので潮風にも強いですし、比重が鋼の60%と軽いこと、線膨張率も小さい(アルミの約3分の1)ことなどから、メンテナンスの面でも優れています。一方、社屋全体の直線的な部分には「アルミ」素材が使われており、その微妙な質感の違いで、より球体部分のシンボル性を強調しています。――素材の選び方にも設計者のこだわりが感じられます。それでは、球体内部の特徴についても教えてください。"どこでも放送局"を想定したこのビルは、各所に電源や連絡端子盤などの放送用設備を準備していますが、球体内部にもスタジオ機能(照明・ブラインド・副調整室)を備えています。ドームの天井は、音を吸収する「吸音天井」と音を拡散させるための「拡散天井」を設けてある二重構造で、デザイン的にも美しくなるように、拡散天井は720枚にもおよぶアルミパネルを格子状に組んでいます。――そのほかに、この造形ならではのエピソードがあれば教えてください。建設当時のエピソードですが、1,200トンもの球体は7階の空中庭園で組み立てられ、毎時5,086ミリメートルずつ、9時間半をかけて25階に設置しました。「重心のずれた非対称形の揚体(吊り荷)を、3カ所の吊点でリフトアップする」というのは、世界でも初めての試みでした。――見た目も、そして工法から見ても、やはり前例のないエピソードばかりですね。最後に、フジテレビ本社ビルを毎日見ている広報さんが一番好きな"表情"を教えてください。球体展望室からはレインボーブリッジ越しの東京タワーや東京スカイツリー、富士山など、東京らしい景色が270度パノラマで一望できます。また、夜にレインボーブリッジから見る東京湾越しの社屋がとても綺麗です。どちらも海を感じる表情です。――ありがとうございました。メタリックで斬新なデザインの外観とは裏腹に、多くの人に開かれたフレンドリーな空間を目指した、フジテレビ本社ビル。完成から17年もの歳月が経過したいまも、未来的な佇まいでお台場のシンボルとなっています。ぜひ、目近でその素材感を確かめてみてください。
2014年01月13日「記念日をすごすまち 倉敷」推進協議会は2012年12月2日に、倉敷市立美術館にて結婚式を開催するイベントを実施する。今回のイベント開催に伴い、“市立美術館で誓う結婚式”を希望するカップルを募集する。同美術館は倉敷の町中にあり、建築家・丹下健三氏がチャペルをイメージしてデザインしたという逸話のある施設。結婚式を取り行うのは今回初めてとのこと。審査を経て選ばれたカップル(1組)には、協議会よりの感謝を込めて、挙式・会場費・音響・司会・演出費用・コーディネーター費用がプレゼントされるという。参加カップルの募集は、応募フォーム、郵送で9月5日から9月23日(※郵送の場合は21日必着)まで受け付ける。9月26日に一次審査発表、10月8日に二次審査、面接、結果発表、挙式打ち合わせというスケジュールとなっている。一次審査通過カップルには、二次審査(面接)の当日結果発表までの待ち時間を利用して、「記念日プラン」をプレゼントする。これは、倉敷を楽しみ体験しながら発表までの時間を過ごしてもらうというもの。プレゼントのプラン内容詳細は「記念日をすごすまち 倉敷」ホームページで紹介している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月04日