アラーキーの“今”を写す愛の写真展、新潟市美術館で開催。妻陽子、愛猫、花等そろう
「センチメンタル」車内
写真家・荒木経惟の写真展「荒木経惟往生写集-愛ノ旅」が、8月9日より新潟市美術館にて開催される。
本展は回顧展ではなく、仏教書『往生要集』が死後の極楽往生のために日々念仏を唱えることを説いたように、自らの日常や人々の営み等を撮影する「いま」の姿勢を初期代表作から新作までを通して紹介する。キーワードは「愛」。妻・陽子との新婚旅行を撮影した初期体表作『センチメンタルな旅』(1971)、妻の子宮肉腫判明から死去前後までを日付け入りで撮影した『冬の旅』(1991)を経て、荒木の愛は飼い猫や生まれ育った東京の街、女優、花、空へと展開していく。
1980年代末の新潟・古町界隈の活気ある街並みと人々を記録した『新潟エレジー』(1988)、新潟の港や旅館で女優・大竹一重との「恋愛旅行の情景」をまとめた『冬恋』(1998)の2シリーズで、旅人・荒木が新潟の街とどのように向き合ったかも紹介。
自らの似顔絵を始めとしたイラスト、写真集題字などの手仕事でも知られる荒木だが、本展でも和紙に墨書きで記した『愛ノ旅』と、二つに切ったポラロイドの組み合わせを変え貼り合わせた写真新作『愛切』(2014)