世界遺産・富岡製糸場をめぐる旅。未来へ継承するべき理由に迫る【後編】
そしてフランスやイタリア製繰糸器から日本製の繰糸機へと変わり、日本製の繰糸機が今や中国やインドに輸出されて世界の絹産業を支えているんです」と教えてくれた。高品質な生糸の大量生産に貢献して絹を大衆化したこと、日本の養蚕・製糸における世界との技術交流と技術革新という二つの功績が認められて、「富岡製糸場と絹産業遺産群」が世界文化遺産へとつながったのだ。
今や純国産の絹のシェアは日本で消費される絹量の1%にも満たない。日本の近代化を支えた富岡製糸場は、次は日本が誇る絹文化を支えていく存在になるために、世界文化遺産に選ばれたのかもしれない。
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製糸場内は希望者へのガイドツアーも行われている
繰糸場は陽の光が差し込む広い空間
繰糸場の外観
指導者として雇われたポール・ブリュナが家族と暮らした住居
ブリーフィング「フュージョン」“オールブラック”キャリーケース、ナイロン&防水型押しレザーで