佐久間裕美子2/2 --ヒップが日本を豊かにする【INTERVIEW】
でも今は、生産者から、給食を作る人、レストランのシェフに至るまで、食にかかわる人々が声高に「食を大事にすること」を主張するようになって、食にまつわる環境が随分変わってきました。
――日本の、食を始めとする生活環境についてはどう思いますか?
『ヒップな生活革命』に書いたようなアメリカ人の新しい生活態度は、日本の文化と根を同じくするようなところが多々あります。祖父母以前の世代では、物を持ち運ぶのに、使い捨てのバッグではなく、繰り返し使える風呂敷を利用していましたよね。四季にあわせた旬のものを楽しむ文化も日本には息づいています。
そうした遺産を大事にする一方、海外の文化も積極的に取り入れていくのが日本のいいところでもある。東京では特に、世界中のおいしいものを食べられますし、クオリティーは平均的に高い。世界中の文化に触れるチャンスはいくらでもある。
一方で、これだけ安全で、これだけ豊かに見えるのに、日本の若い人達から強い無力感を感じることがあって、それは残念に思います。
――どういう時にそう感じますか?
日本の学生からツイッターを通じて、「今度NYに行くのでぜひ一度お話を聞かせてください」