洋服が日本の官能文化を破壊した--龍多美子2/2【INTERVIEW】
全ての工程をハンドメイドしている、フランスのランジェリーブランド、シリバス。ブラジャー 3万1,000円、タンガ 1万2,000円/シバリス(Rue de Ryu)
――ガーターベルトやストッキング以外に、同様のツールはありますか?
例えば、和服を着てる人の中には、足袋に官能を感じる人もいますよね。足袋ってすごく拘束的で、“みちっ”と履くものですが、こだわってる人は、いかにみちみちに履くかに頭を使い、自分用にオーダーする人もいるほど。こうした「自分がこだわりたいもの」というのは、誰にとってもなにかしら存在するはずでしょう?何を官能的だと感じるかは、人によって異なるはずです。ですので、「自分にとっての官能」を見付けるためには、まずは自分の内面に目を向けることが大切です。
――足袋に官能を感じるというのは日本人ならではかもしれませんね。
私たち日本人は、江戸時代までは確かに存在した、日本的な官能の世界を忘れてしまっていると思います。
当時の日本にはものすごくエロティックな文化が花開いていて、気にいった人がいたら夜這いもOKとされる時代もあったのに、明治維新を機に全て否定されてしまったんです。