シャネル・ネクサス・ホールで福島第一原発を捉えた写真展 - 外国人アーティストが継続的に観た福島
その疑問に答えを与えるドキュメンタリー写真だ。
映し出されているのは、当時の様子が思い出せないほどに‟自然へ回帰した姿”。駐車スペースや駅、そういった生活環境下を自然が覆い、人間の足跡を隠すかのように物々しく存在している。
■インタビュー動画とともに振り返る「回顧」
カルロスとギョームが‟心で感じてほしい”と表現した同作では、福島第一原発近くの帰宅困難区域にフォーカス。原発被害者たちが当時過ごしていた場所を訪れ、日常の姿をレンズの前で演じた。
舞台となったのは、勤務先のスーパーや印刷所、休日に足を運んでいたゲームセンターやミュージックストアなど。避難民が縁のある場所と共鳴しながら、2人のアーティストと協働で創り上げる作品群は、一見ノーマルであるが、遠くから眺めると非日常的である。会場では写真作品と同時に、現地の人のインタビューも動画で紹介。
■取り残された食品を映した「パックショット」
本展のラストを飾るのは、「パックショット」と名付けられたシリーズ。カルロスとギョームが‟住んではいけない地区”で見つけ出した遺物を駐車場で撮影した。
写真に収められたのは、腐ったブロッコリーや割れた卵といった食品たち。