2019年9月29日 15:25
ディオール 2020年春夏コレクション - 花や木々を愛でることの今日的意義
マリア・グラツィア・キウリが好んで起用するシースルースカートやロングドレスにはボタニカル刺繍を施した。ナチュラルなラフィア素材を用いたミニドレスやジャケットも今シーズンのキーアイテムとして存在感を放っている。
どこか儚げなカラーリング
花がモチーフと聞いて鮮やかなカラーリングを連想したゲストも多かったであろうが、パレットには華美な色彩を多くは用いていない。植物のエンブロイダリーやプリントには、自然が本来持っているであろう色彩が起用されており、いつか命を終えることをわかっているかのような、どこか儚げで刹那的なムードさえ感じさせる。またそのナチュラルなカラーを引き立てるため、服地はホワイト、ベージュ、グレー、ブラックといったベーシックカラーで染め上げた。
サドルバッグやブックトートの新作も
レディトゥウェアからアクセサリー類へと視線を移すと、サドルバッグやブックトートなどのアイコンバッグにも、花々が咲き乱れている。軽やかなムードをもたらすラフィア素材のフラットサンダルやエスパドリーユ、ハットなどは、温かな季節の訪れを祝福しているかのようにも感じられる。人間と地球との考えを見つめ直す
マリアグラツィアキウイがコレクションピースの上に花々を咲かせ、木々を植え付けたのは、単にその美しさを称賛するためだけではない。