くらし情報『アツシ ナカシマ 2022年春夏コレクション - 可能が可能のままであったところ』

2021年10月23日 19:00

アツシ ナカシマ 2022年春夏コレクション - 可能が可能のままであったところ

アツシ ナカシマ 2022年春夏コレクション - 可能が可能のままであったところ

アツシ ナカシマ(ATSUSHI NAKASHIMA)の2022年春夏コレクションが、2021年10月20日(火)、東京駅のグランルーフにて発表された。

黒々とうごめく領域
人はふだん生活しているとき、たとえば知覚するものをすべて明晰に意識しているわけではない。あるいは過去の記憶も常に意識しているわけではないが、必要とあらば、過去に意識を向け、その記憶を呼び覚ますこともできる。鮮明な意識の下で、黒々とうごめくもの。今季、アツシ ナカシマがテーマとした“SUBCONCIOUS”とは、通常は意識されていないが、その下で絶えずうごめき、時として意識の上に現れうる潜在意識の謂いである。いわば可能なものが可能なままの「ありうる」ものとしてうごめくその姿を、衣服へと落とし込むのである。

黒の深み
序で「黒々と」と書いた。意識にのぼる手前にあって黒々とうごめくその深みを、アツシ ナカシマは黒の後染めミリタリーウェアで表現している。
トレンチコートやミニマルなワンピースは、黒の深みが素材の光沢感と相まって鈍い光を帯びている。また、シャツやジャケットなどにはステッチも多用されており、ディテールをファブリックでは実現せず、ステッチのかすかな線によってほのめかす。

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