2022年10月15日 11:25
「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展が東京で - 歴代の作品が一堂に、日本との関係にも着目
を反映したものであった。
本展では、メゾンと日本の関わりにも光をあてている。たとえば、1953年には、日本で作られたディールの服が、日本人モデルによって披露。会場では、その際に発表されたドレスやコートなどを展示している。
また、古今東西、世界各国の文化を参照する歴代のクリエイティブ ディレクターは、日本の文化をも創作の源泉としてきた。葛飾北斎の《富嶽三十六景神奈川沖浪裏》を彷彿とさせるジョン・ガリアーノによるリネンコートや、鮮やかな刺繍を施した着物風のドレス、絞り染めを彷彿とさせるラフ・シモンズのビスチェドレスなどのほか、マリア・グラツィア・キウリなどによる桜のモチーフを取り入れたドレスやジャケットも目にすることができる。
芸術とファッション
ところで、1905年、フランスのリゾート地グランヴィルに生まれたクリスチャン・ディオールは、当初は芸術の道を志していた。1928〜34年にかけてディオールが経営したギャラリーでは、パブロ・ピカソやアンリ・マティス、ジャン・コクトーといった著名な芸術家ばかりでなく、サルバトール・ダリやアルベルト・ジャコメッティなど、のちに有名となる若い芸術家の作品も展示されていたという。