「はずかしいという心は自分を守る」 自分の言葉を改めて振り返ってみる
ということになります。はずかしいという自覚がないと、自分自身を卑しめていくことになる、というわけです。
自分にとって何がはずかしいことなのか。自分自身の基準をしっかりと持つことが大切なのです。
この感性は、美意識とよく似ています。何を美しいと思い、何を美しくないと思うか。
例えば、ある人にとっては『人と比べるのは美しくないこと』であっても、人によっては無自覚のまま人と比べて優越感や劣等感を思えているかもしれません。
それを美しいと思わなければ、はずかしさを感じることなく優越感や劣等感に自分を明け渡してしまうのです。
電車の中でお化粧をするのも、自慢話ばかりをするのも根は同じ。そのような行動が美しいか美しくないか。自分の中の基準、価値観によって、行動も言動も変わるのです。
私は小さい頃、両親から「はしたないことはしない」という言葉をよく聞きました。お行儀悪くしていると、「はしたない格好はやめなさい」と注意されたものです。
ところが、最近「はしたない」という言葉を聞きません。若い人たちに「はしたない」という言葉を知っているか尋ねてみると、ひとりも知らなかったのです。美しい日本語が失われていきます。