ワカメからも出汁は取れる? コンブとワカメ、よく似た海藻にまつわる素朴な疑問
その理由は、うまみ成分の1つであるグルタミン酸が抽出できるかどうかの違いです。
アミノ酸の1種であり、うまみを感じる成分であるグルタミン酸は、実はワカメにも昆布にも含まれています。100gあたりの含有量はワカメで2000mg、素干しの真昆布では1500mgと、若干ワカメのほうが多いほど。
それなら昆布と同じようにおいしい出汁が取れるような気がしてしまいますが、ワカメに含まれるグルタミン酸は昆布に比べて「抽出しにくい」という特徴があります。
水に対して2%の量のワカメと昆布をそれぞれ一晩漬け置きし、さらに80℃の温度まで加熱抽出した結果、昆布の抽出液からは47mgのグルタミン酸が抽出されたのに対し、ワカメの抽出液にはグルタミン酸が含まれていませんでした。
ワカメに含まれるグルタミン酸は「ワカメだし」を取るのには適さないようです。
出汁は取れないとはいえ、ワカメはたっぷりグルタミン酸を含むおいしい食材。出汁を取るのではなくそのまま食べることで味を楽しむことができます。
昆布と同様に植物繊維やカルシウムも豊富に含み、茎の部分は茎わかめとして、茎と根の間はめかぶとして、いわゆるワカメである葉っぱの部分以外も無駄なく食べられる食材でもあります。