カレーの「とろみ」が足りないのはなぜ? 原因として考えられるポイントとは
カレーをレシピ通りに作ったはずなのに、なぜかとろみがつかないことがあります。カレーが水っぽくなってしまうのはなぜでしょう。その原因を紹介します。
カレーにとろみがつかない原因
ハウス食品のホームページでは、カレーにとろみがつかない原因を解説しています。また、分かりやすい動画も用意しており、カレーを作る手順に沿ってポイントを解説しています。
Q.ルウを入れたのですが、なかなかとろみがつきません。【動画で解説しています】
A.とろみがつかない原因として、いくつかのことが考えられます。動画もご覧ください。
カレーのとろみは、小麦粉を約90℃位で加熱するとでんぷんが糊化することでつきます。「とろみがつかない、つきにくい」原因として以下のことが考えられます。
・ジャガイモの種類【動画0分37秒ころ】
・水分が多い具材(新たまねぎや冷凍シーフード具材など)を使用したとき。【動画1分08秒ころ】
・ふたをして煮込むことで水分の蒸発量が少なかったり、途中で水を足すことにより水分量が多くなっているとき。(パッケージに書いている水の分量はふたをしないで煮込んだ時の水の蒸発量を計算して設定しています)【動画1分30秒ころ】
・ルウを入れてからの加熱が弱かったり、時間が短かったりしたとき。(でんぷんが糊化しにくい)【動画2分13秒ころ】
・はちみつなどでんぷんを分解する酵素アミラーゼを含む具材を入れたとき。【動画3分03秒ころ】
・一度口をつけたスプーンなどを鍋に戻したとき。(唾液の中にもアミラーゼが含まれています)【動画3分41秒ころ】
ハウス食品ーより引用
原因1.ジャガイモの種類
カレーの具材に使うジャガイモは種類によってとろみを左右します。
ジャガイモは煮崩れすることでとろみが増すので、煮崩れしやすい男爵が適しています。
逆に、スープカレーのようなサラサラなカレーにしたい場合は、煮崩れしにくいメークイーンやニシユタカを使うとよいです。
原因2.水分を多く含む具材を使う
新タマネギや冷凍シーフードなど水分を多く含む具材を使用すると、水分量が多くなりとろみがつきにくくなります。水分の多い具材を使う場合は、加える水の量を少なめにしましょう。
原因3.フタをして煮込む
フタをして煮込むと水分の蒸発量が少なくなります。パッケージに記載されているのは、フタをしない場合の水の分量です。フタをして煮込む場合は、加える水の量を少し減らしましょう。
最近では、フタをする場合の分量も記載されているものもあるので参考にするとよいです。
原因4.加熱が足りない
とろみはルウが溶けて熱が加わることで出てきます。そのため、ルウを入れた後の加熱が弱かったり加熱時間が短かったりするととろみがつかないので、ルウが溶けてからしっかりと煮込むことが大切です。
原因5.酵素アミラーゼを含む具材や調味料を加えた
はちみつを仕上げに加えると、とろみがなくなってしまうことがあります。これは、ハチミツに含まれるアミラーゼという酵素が、とろみのもととなるでんぷんを分解するからです。
また、隠し味として醤油や味噌を使う人もいますが、これらの調味料にもアミラーゼが含まれているため、とろみがなくなる可能性があります。
アミラーゼを含む具材や調味料を加える場合は、ルウを入れる前に入れて具材と一緒に20分以上煮込んでください。
原因6.唾液が鍋に入った
唾液の中にもアミラーゼが含まれています。おたまやスプーンで味見をしてそのまま鍋に戻すと、アミラーゼが作用することがあります。
一度口に付けたものを鍋に入れるのはやめましょう。
カレーにとろみがつかなくなる原因を紹介しました。「なんとなくやってしまっていた」ということもあるのではないでしょうか。作り方を見直してトロトロのおいしいカレーを作りましょう。
[文・構成/grape編集部]