言葉は時代で生まれ、変わるもの 来年はどんな言葉が生まれ、育ち、伝えられてゆくのか?
こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。
ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。
言葉は時代で生まれ変わる
文化庁が毎年秋に発表する『国語に関する世論調査』が出ました。それによりますと、SNSなどの普及で、誰もが文章を発信する機会が増えて来て、間違っている表現を受け入れる傾向が顕著になっているようです。
でもでも、それを唯唯諾諾(いいだくだく)と認めてしまうのは、言葉を使う職業人としては、如何なものかと思っております。
当方が気になった部分は、慣用句です。「手をこまねく」は、本来の意味の「何もせず傍観している」が、「準備して待ち構える」が圧倒的に多く、「敷居が高い」は、「相手に不義理などして行きにくい」ではなく、「高級すぎたり上品過ぎたりして入りにくい」が大半でした。
「浮き足立つ」は、「恐れや不安を感じ、落着かずそわそわしている」が、「喜びや期待を感じ、落着かずそわそわしている」、「新規巻(ま)き直し」は「新規巻(ま)き返し」、「雪辱を果たす」は「雪辱を晴らす」