くらし情報『経産省が放出をもくろむ福島原発トリチウム水の危険性』

2018年10月1日 16:00

経産省が放出をもくろむ福島原発トリチウム水の危険性

前出の西尾医師は「ヨウ素129が体内に取り込まれれば、甲状腺がんの原因になりうる」と危惧する。

そもそも、処分を急ぐ必要はないという専門家も少なくない。

原子力発電所の設計に携わってきた技術者の後藤政志氏は「石油備蓄用の10万立方メートル級の大型タンクに入れ替えれば100年は保管できる。その間に、放射能の影響も少なくなる」と提唱し続けている。

原子力規制委員会の更田豊志委員長は9月5日の定例記者会見で「タンクがある限り、福島第一原発の風景は変わらない」と述べ、早期の海洋放出の必要性を示唆。

規制委員会に適切な処分時期について考えを訊くと、担当者は「事業主体の東電が決めること。当局は、決定に基づき厳格に審査する」と述べ、東電の決断を促した。

公聴会で反対意見を述べた福島県の漁師、小野春雄さん(67)は、改めてこう語って怒りを表した。


「今年7月にも福島県沖で採った試験操業のヒラメから、自主規制値を越える放射性セシウム137が出て出荷がストップしたばかり。保証金をもらっているからいいだろうという人もいるが、人間、仕事がないと心身ともにダメになる。未来の世代に、汚染のない福島の海を残してやるのが大人の務めだ」

リスクを過小評価して、スケジュールありきで放出を急ぐことは許されない。

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