美智子さまの帽子デザイナーが明かす「退位後の新作」
欧子さんの父、故・平田暁夫さん(享年89)は、皇室の帽子デザイナーも務めていた。美智子さまがご公務でお召しになる小さなつばの平らな帽子は、暁夫さんが美智子さまと試行錯誤のすえ、長い年月をかけて、共に作り上げてきたものだ。
「父は、常にかぶる方のことを考えていました。どんなフォルムにしたらかぶりやすいか。どんなラインにしたら、その方に似合うか。何度も自分でかぶっては、また形を整えて。私やスタッフにもかぶらせてみて、ここはもう少し、こうしようとか。確認しながら仕上げていくのです」
そんな暁夫さんがパリから持ち帰った帽子作りの“技と心”を欧子さんが受け継ぎ、時代に合わせて変化させてきた。
「パリで、私の帽子をひと目見て、それをわかってくださる人がいたことは驚きでした。父から継承してきたことは、まちがっていなかったんだ、って」
東京・西麻布の静かな路地の一角に、欧子さんが父・暁夫さんから受け継いだアトリエがある。1階は、帽子ショップになっていて、カラフルな帽子が並ぶ。2階から4階がアトリエだ。欧子さんは現在、これらを運営する会社、オートモード平田の責任者でもある。
パリの個展後すぐ開催した東京表参道の個展には、美智子さまはじめ、紀子さま、眞子さまなど、皇族の方々の姿もあった。