2019年2月8日 06:00
原発事故から8年…数値が物語る日本「放射能」汚染の実態
「空間線量は、安全か危険かを瞬時に把握するには有効ですが、100メートル先から出た放射線を拾ってしまったり、地上1メートルで測定するか5センチで測定するかによっても大きく数量が異なるので、不確かな面があります。その土地に暮らし、農作物を育て、食べる人にとっては、土壌に沈着している放射性物質の濃度を知ることが大切です」
メンバーたちは、そう考えてプロジェクトを始動させたという。
地元の方々に“自分ごと”として採取してもらうことが大事だと考えました」
誰もが採取に参加でき、かつ世界的に通用するデータにするために、深さ5センチで1リットルの土を採取する、チェルノブイリ方式に統一することにした。
「採取方法をわかりやすく説明するために、マンガにして配布したら、これが共感を得て(笑)」
「これならできそう。土壌採取を手伝いたい」という連絡が事務局に寄せられ、全国100カ所以上で土壌採取説明会が開かれた。
「放射性物質が集まるホットスポットは避け、かつ除染されていない土を採る必要があるので、適切な場所を探すのが大変でした」
採取した土は、測定のあと、採った場所に返すのが原則。
「手間がかかっている分、3,400カ所一つひとつに、採取した人の思いがこもっています」