2019年2月14日 16:00
カリスマ保護司・中澤照子さん 少年少女を更生させて20年
ユカリさん(仮名・当時16)だ。
「自傷行為があり、体じゅうにカミソリの痕がありました。それも50カ所や60カ所じゃないんです。夜、電話が多かったのは、やはり寂しかったんでしょうね」
電話を受けると、中澤さんは早朝でも飛び出して、夏なら近くの公園で話を聞いた。一時は自立に向けて歩き始めたように見えた。ところが、水商売で彼氏ができると、連絡が途絶え、以後、現在まで行方不明のままだ。
「心配ですよ、女の子は。別の子ですが、男の人で変えられて、薬物問題を起こす子もいましたから」
最近、中澤さんの携帯に深夜、非通知電話が入るようになった。
高齢になって、中澤さんは現在、夜中は携帯を切っている。
「電話をかけてくるのは、私が携帯を切ることを知らない子。ユカリちゃんじゃないかと思うんです」
そんななか、中澤さんの後継者として、保護司になった元対象者が出た。プロレスラーの十嶋くにおさん(36)だ。中澤さんの1期生の1人で、16歳のとき、集団危険行為で鑑別所に入り、中澤さんの担当になった。十嶋さんは言う。
「親はもちろん、大人は信用していませんでした。それが、中澤さんとの面談では、ダルくはあったけど、イヤではなかった。