朝丘雪路さんと津川雅彦さんの一人娘 歌手活動の裏に母の遺志
結局最後には、私たちは別に録音してもらいました。そのレコーディングの場でもそうでしたが、歌では父も私もよく母からダメ出しされていましたね。父と2人でお風呂で一緒に楽しく歌っていると、ドアの外から母に『音痴ねぇ』と、よく言われたものです」
真由子と朝丘さんの声音はそっくり。「音痴ねぇ」という言葉も、まるで朝丘さんが言っているように聞こえた。
「それが悩みのタネで、私が母の曲を歌うとモノマネのネタみたいになってしまうんです(笑)。今回の歌手活動をすることになったのは両親からもらった大切なチャンスだと思います。さきほどの『DO YOU!』のディレクターだった方は、母のマネージャーでもありました。その方が最近、新しいバンド『東京エキゾチカ』をプロデュースすることになり、私もリハーサルの場に呼んでもらったのです。
『東京エキゾチカ』は’60年代のナイトクラブの専属バンドをイメージしていて、メンバーも一流のミュージシャンの方々。『ちょっと真由子も歌ってみたら』と、その場で勧められて、無我夢中で母親のお得意のナンバー『クライ・ミー・ア・リヴァー』を歌ってみました。母親の全盛期を知るバンドの皆さんにも、とても懐かしく感じていただいたようで、『東京エキゾチカ』の専属歌手としてデビューさせてもらうことになりました。