ピアノの画家・加古隆が語る「映画音楽でもっとも大切な5秒間」
作曲の勉強に行った留学先のパリではフリージャスに感銘を受け即興演奏に明け暮れていました。そうやって寝る間を惜しんでハマった様々なジャンルの音が血となり肉となって、私のベースになっています」
できるだけ長く音楽生活続けるために、毎朝1時間ほどのヨガを何十年も続けているという加古さん。フランスでのソロ体験からちょうど40周年にあたる今年は、ソロ・コンサートツアー『ピアノと私』を開催中。5月11日のサントリーホール(東京)から6月22日のいずみホール(大阪)まで、4都市で公演予定。
令和の時代を迎え、時代は大きく変わろうとしている。加古さんの作品にも新しい要素が加わることがあるのだろうか。
「確かに時代によって変わることも多いでしょう。ですが、たとえば人間の生死(しょうじ)に向き合った時の人の心の喜びや痛みなどは変わらないのではないでしょうか。
夕日や夜空を見て美しいと感じる気持ちや、人に接した時の優しさや愛情など、普遍的なものは残っていくはず。そういう人としての根本的なものこそが芸術として残り、また創られていくのだと思っています」
【PROFILE】
加古隆(かこ・たかし)
フランス・パリ国立高等音楽院でオリヴィエ・メシアンに作曲を師事。