「雇用に国のサポートを」専門家分析するトヨタ社長発言の意図
「リーマン・ショック後の大変な時期に社長になった豊田さんが、就任当初から一貫して守ろうとしたのが、日本の“モノづくり”と“雇用”です。しかし、日本人をリストラして、賃金の安い海外へ工場移転すれば、利益は確実に上がります。それが、かつての日産を指導した、カルロス・ゴーンのやり方です。対して豊田社長は、たとえ時代遅れと言われようが『よほどの胆力がないと、企業は海外に出たくなる。自分たちのように、日本人の雇用を守っている人たちに対して、この国は何のエールもない』と、主張し続けてきたんです。今回の発言は、終身雇用がダメだということではなく、雇用とモノづくりを守ろうとしている企業には、国のサポートが必要だと訴えているのだと思います」
さまざまな解釈があれど、トヨタが向かう独自の“働き方改革”に、日本中が注目しているのは間違いない。