京アニ22歳新入社員が掴みかけた夢 事件前夜に母へ電話報告
でも相変わらず親からは反対されていて……』というものでした。いっぽうで、お母さんからも『先生、あの子をどうにか諦めさせてもらえませんか』と相談されていました。アニメ業界に進んで、ちゃんと食べていけるのか心配だったようです」
しかし、A子さんは本気だった。そして、ひそかに夢に向かって準備していたのだ。
「大学3年生のとき、彼女が『アニメの専門学校に行く』と言ったんです。いろんな学校の特色も調べ上げていて、学費もすでに準備していました。ほかでもアルバイトをしていて、お金をためていたんです。その本気度を見て、お母さんも認めるようになったのだと思います。
それからは日中に専門学校、夜に大学へと通う日々でした。大変だったと思います。でも好きなアニメの勉強をできるのがうれしかったのでしょう。まったくつらそうなそぶりを見せませんでした。むしろ、いつも以上に元気で生き生きとしていましたね」
努力は裏切らなかった。A子さんは狭き門を突破し、京アニへの入社を決めた。「昨年末に私とA子、そして彼女の幼なじみのB子と3人で会ったんです。そのとき、彼女が『実はクリスマス前に連絡があって……京都アニメーションに就職することが決まりました!』と報告してくれました。