2019年9月12日 06:00
制限される高齢者の預金引き出し、警察に「全件通報」地域も
一律のルールというものはなく、各金融機関が独自で一定の基準を定めています」(金融庁銀行第一課)
警察庁によると、特殊詐欺対策には年々力を入れており、被害総額はここ5年で減少の一途をたどっている。さらに、金融機関による前述のような“働きかけ”もあってか、’18年では「143億円の被害を阻止」できたと発表しているが……。
「そのいっぽうで、銀行で高額預金を引き出す際に“ハラスメント”を受け、高齢者が不快な思いをしたケースは、金額にするとその数倍、数百億円以上あると私は考えています」(末松議員)
金融機関は、実際にどのような対策を設けているのか。多く見られるのは、自治体が地元警察と連携し、基準を設けているケース。その一部の例を見てみよう。
【千葉県】
浦安署では、60歳以上が100万円以上を引き出す際に、金融機関が110番通報するよう要請している。
【群馬県】
県警は、70歳以上の顧客が窓口で300万円以上の現金を引き出す場合、全件通報するよう要請している。【静岡県】
県警は、75歳以上の顧客が窓口で300万円以上の現金を引き出す場合、通報するよう金融機関に要請している。