野口聡一さん54歳で宇宙へ「大事なのは継続できる生活リズム」
日本人最年長で来年のミッションに挑む野口さん。前回の’09年から約10年間で体の変化も感じているという。
「宇宙で45歳の誕生日を迎えた前回は伸び盛りでしたが、54歳になったいま、筋力や動体反射などは劣ってきたかもしれません」
それでも宇宙飛行士は「つねにチャレンジの日々」だと語る。
「この職業の特徴は、ベテランでもずっと試され続けること。たとえば、ロボットアームの操縦や船外活動の訓練でも、新人と同じテストをさせられます。『若いころは上手だった』ではいけない。つねに『今が全盛』でなければいけないんです」
体が衰えていようと、若手と同じ「オーディション」を通過しなければいけないとは、なんとも厳しい世界。
しかし、野口さんは、「それがベテランの挑戦」だと力を込めて語る。
その「50代の挑戦」は「なにも新しいことを始めなければいけないわけではない」そうだ。
「今までできたことを『今日できるのか』と確認することもまた、挑戦だと思うんです。『自分は今、なにができるのか、まだ走れるのか、宇宙船を操縦できるのか……』と、“現在進行形の自分”を確かめる。自分の能力や置かれた環境をある時期に見直して、また構築することは大事だと思う」