進む新型コロナのワクチン開発、最速で4月には治療法完成か
いっぽうmRNAワクチンは、病原体の設計図である遺伝物質の一部を接種します。すると病原体の一部が体内でできる。これをもとにして、ウイルスや病原菌に対する抗体が作られるんです」(以下、括弧内は峰宗太郎医師)
mRNAワクチンの特徴は、従来のものより開発期間を短くできること。実際に、新型コロナウイルスに対するワクチンの試作品は、開発に着手してからわずか2カ月で完成した。
「すでに45人を対象に、安全性を確かめる人での第1相の臨床試験が始まっています。今後は投薬量を決めたりする第2相、有効性を確認する第3相の試験を行う予定。それぞれ最低3カ月程度は必要なので、順調に進めば1年程度で完成するでしょう。ただ、mRNAワクチンは今まで誰も作製したことのないワクチンです。
副作用もはっきりしていないので、慎重に進めてほしいですね」
他にもワクチン開発は世界各地で進む。米国のミルケン研究所によると、3月26日時点で47ものプロジェクトが立ち上がっているという。なかでも、米国のmRNAワクチンと同様の速さで進むのが中国だ。
「中国のワクチンは作製に時間のかかる従来型のものですが、驚異的な研究スピードにより臨床試験がすでにスタートしています。