進む新型コロナのワクチン開発、最速で4月には治療法完成か
中国政府は感染拡大を受け、試験に関する規制も緩和しているようなので、他国よりも早く、半年から1年程度でワクチンを完成させるかもしれません」
治療薬の開発・探索も並行して行われている。日本の国立国際医療研究センターによると、国内で新型コロナウイルス感染症の候補薬として上がっている薬は、抗HIV薬の「カレトラ」、新型インフルエンザ薬の「アビガン」、急性膵炎の治療に使われる「ナファモスタット」など計8種類。全世界では71ものプロジェクトが始動しているという。
「カレトラはすでに臨床試験の結果が報告されていますが、重症患者にはあまり効果がなかったようです。今は、感染初期や軽症の患者さんに効果がないかなどが調べられています。現時点での“最有力候補”はアビガンでしょう。中国では軽症者116人にアビガンを投与したところ、7日後に約7割の人が回復したという報告があります。日本国内には備蓄が潤沢にあり、臨床試験も始まっていますので、結果を持ちたいですね」
候補薬の多くは、他の病気の治療に使われている既存薬。
ここに、治療薬の完成が早くなる秘密があるという。
「既存薬であればゼロから薬を探す手間を省けるのはもちろん、すでに他の治療で使われ、安全性等が確かめられているので、第1相の臨床試験を省くことができます。