抗がん剤で白血球減少…患者たちが抱える新型コロナへの不安
進行しているがんの手術に関しては実施することになるでしょうが、化学療法については慎重に観察する状態になってきています」
遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)当事者で卵巣がん治療中の太宰牧子さんは4月2日に6回目の抗がん剤治療を終えたばかり。不安な日々を過ごしている。
「治療中や投与してから2週間ほどは、白血球の数値が減少し、感染症予防を十分にする必要があります。しかし、そんな状態でも抗がん剤治療中は病院に行かなくてはなりません。“自分も感染しているかもしれない”という不安を抱きながら、常に体を清潔に保ちました。どこかに触れることも心配になり、買ったものもすべて消毒していました」
重症化リスクを抱えるまた別の疾患は、30~50代の女性で発症者が多いとされる関節リウマチだ。そしがや大蔵クリニックの中山久德院長はこう語る。
「関節リウマチは正常な免疫機能を抑えてしまうこともある病気なので、感染力の強い病気には気をつけるよう呼び掛けています。
感染しないために免疫抑制剤を使いたくないという患者さんもいますが、早期の治療が大切なので『必ず薬は飲んでください』と伝えています。そもそも関節リウマチは全身症状のある病気で、関節の次に症状が出るのが肺炎なんです。