羽田美智子「ドラマ『隕石家族』で自分に問い直した『正直に生きる』」
ただ、あらためて感じたのは、世の中は既成概念やルールで覆いつくされているかもしれないということ。本来はもっと自由に生きていいはずだよな、って」
くしくも、新型コロナウイルスの影響で世間の価値観が大きく変化している今、生き方や働き方が見直され始めている。
「秩序や常識は、よほどショックなことが起こらない限り、なかなか変わらないでしょうから。とはいえ、このニュースが出てしばらくは、病いや死への恐怖でいっぱいでした。ウイルスに感染する恐怖、十分な医療を受けられずに命を落とす恐怖、あるいは職を失って収入が得られなくなる恐怖……不安に押しつぶされそうで、軸がブレて、フラフラでした」
それでも、「地球が滅亡するとして、自分にとって本当に必要なものは?」と自身に問い続けた。
「すると思いのほか、きっとたいしたものじゃないな、って思えたんです。あの世に持っていける財産は、お金や評価ではないだろうし。人を純粋に愛して、愛されてよかった、という記憶くらい。
そして、自分がどれだけ伝えられたか、ってことなんじゃないかな。結局は“あきらめる”ということ。ネガティブな言葉に聞こえますが、もともとは仏教用語で“明らかに眺めて物事に執着しない”という意味のようです。